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訪日観光客向け売れ筋商品を作るインバウンドビジネス

JNEWS会員配信日 2019/12/19

　観光庁によると、2018年に日本を訪れた外国人観光客は3119万人で、2020年には4000万人を超すことが予測されているが、その８割は中国・韓国・台湾・香港を中心としたアジア圏からの旅行者だ。その中でも、中国人は旅行中の消費額が「１人あたり22.4万円」と高く、インバウンド景気の主要顧客となっている。消費の内訳でも、飲食代や買い物代の割合が高いことから、日本国内の中小飲食業や小売店にとっても、ビジネスチャンスが大きい。

さらに中国人旅行者の属性を紐解くと、40歳未満の若い旅行者が６割を占めて、男女比は「４：６」で女性の割合が高い。この層は中国で「80後（1980年代生まれ）」「90後（1990年代生まれ）」と呼ばれ、PCやスマートフォンを使いこなすデジタルネイティブで、購買意欲も高い消費者として重要視されている。

中国では、結婚と同時にマイホームを購入する習慣があるため、独身者と既婚者では小遣いとして使える余裕資金に違いがある。その点で、20～30代の独身層は買い物や旅行に対する意欲が高い。

中国のeコマース市場では「独身の日（11月11日）」が盛り上がり、１日に5兆円を超す売上額があるのもそのためだ。また、中国の統計によると、20～30代が旅行に費やす資金は、１人当たり年間14,738元（約23万円）となっている。これは現地の月収に対して２～５倍の金額になる。

彼らの中で「日本」は、タイに次いで海外旅行先としての人気が高く、中国内の口コミアプリやSNSを通して、様々な情報交換が行われている。具体例として「大衆点評（Dianping）」は中国で最も人気の高い、生活情報の口コミアプリで、日本の飲食店情報も多数掲載されている。

アプリ内では各店舗が公式ページを掲載することができ、実際に店舗を訪れた旅行者のレビューが付いていく。その評価を参考にしながら、次々と新たな旅行者が訪れるため、日本国内では特に話題にならなくても、中国人旅行者から人気となっている店は数多い。

■大衆点評（中国語サイト）

また、「小紅書（RED）」は、海外旅行を経験した中国人が、自身の買い物体験をシェアすることで人気化している口コミアプリで、１億人以上の中国人ユーザーに使われている。その80％以上が90後の女性層であり、ファッション、化粧品、美容用品を中心とした商品レビューが多数投稿されている。その中でも、資生堂や花王など、日本メーカーの商品は人気が高く、日本を旅行する際の買い物リストとして使われている。

■小紅書（RED）

このように、近年の訪日中国人旅行者が情報収集しているソースを突き止めることが、日本国内での集客をするための第一の課題になる。さらに、情報源となっている旅行サイトやSNSに対して効果的な情報発信をしていくことが、中国人向けのヒット商品や人気店を作る上での急所になっている。しかし、日本企業が独自に中国向けの情報発信していくことは難しいため、それを代わり行うインバウンドマーケティングの代行ビジネスが多数立ち上がっている。

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■JNEWS会員レポートの主な項目
・訪日中国人の属性と情報収集ルートの把握
・訪日観光客向け日本情報サイトの活用と料金体系
・中国インバンドマーケティングの注意点について
・中国ＫＯＬマーケティングの業界構造
・中国インフルエンサー報酬の算定方法
・インバウンド予約による訪日客の集客モデル
・人気が拡大する美容インバウンド予約仲介サービス
・訪日インバウンド市場で起業する視点と方法
・インフルエンサー育成による越境コマースの立ち上げ方
・職業として考えるインフルエンサーの生産性と収益構造

■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2019.12.19
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