新たなテクノロジーに適応した専門知識をオンラインで取得する「nano-degree(ナノ学位)」が、求人市場での価値を高めてきている。仕事に即時役立つ知識を数ヶ月の受講期間で学び、修了証が発行される仕組みになっている(JNEWSについて
新テクノロジー人材を育成する高度職能訓練ビジネス

JNEWS会員配信日 2018/1/28

 日本の大学進学率(4年制)は1960年代には20%台だったのが、現在では54%を超している。私立大学では4割が定員割れとなっており、大学の名前さえ気にしなければ、もはや“大卒”の学歴は誰でも取得できる時代である。

《私立大学の入学定員割れ推移》

大卒者には高卒者よりも高い賃金が支給される“学歴格差”は明らかに存在しているが、大卒の価値が相対的に下がることで、就職後に年功序列で昇給していくことも無くなる。今後は、学生時代に学んだ知識に加えて、社会人になってからも、常に新しい知識を習得していくことが、高年収を稼ぐための条件になる。



しかし、日本では社会人の学習意欲は乏しく、リクルートマネジメントソリューションズが2014年に、社員 500人以上の企業に所属する大卒ホワイトカラーの総合職(1200名)を対象に行ったアンケート調査では、入社7年目になる中堅社員の67%が自主的な学習をまったく行っていない。これは日本経済にとっても、深刻な問題といえる。

《大卒ホワイトカラーの自主的な学習状況(2014年)》

しかし、やる気さえあれば、いまではネットで様々な知識を学ぶことができる。
企業が求めているのも、新たなテクノロジーに適応したスキルであり、それらの専門知識は「nano-degree(ナノ学位)」として価値を高めてきている。大学で習得する学位は、数年間に及ぶカリキュラムを通して、「電子工学」「経済学」「法学」など包括的な専門知識を学ぶに対して、ナノ学位は、いまの仕事に即時役立つ知識を数ヶ月の受講期間で学び、修了証が発行される仕組みになっている。

ナノ学位の仕掛け人となっているのは、オンライン職能教育プラットフォームの「Udacity(ユーダシティ)」で、グーグル、AT&T、メルセデスベンツなどとパートナーシップを組むことにより、AI、VR(仮想現実)、自動運転などの開発で即戦力となる人材を育成しようとしている。

第4次産業革命と言われる「テクノロジー4.0」の時代には、新たな技術が次々と登場してくることになるが、開発現場のエンジニアに限らず、それらの技術を導入する職場においても、労働者は最新の知識やスキルに対応していくことが求められる。そうした高度な職能訓練を担うビジネスは急成長していくことが確実視されており、人材採用の枠組みも変えようとしている。

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・ナノ学位による高度職能技術の学び方
・次世代eラーニングが変える人材採用市場
・メルセデスベンツが提供する職能訓練カリキュラム
・短期プログラミング教育のブートキャンプ市場
・就職保証付きコーディング・ブートキャンプのビジネスモデル
・ロボット社会で価値を高める職業とスペシャリストの方向性
・ブルーワーカーの仕事を支援するIoTソリューション
・教育現場をデジタル化するEdTechサービスと電子デバイス市場
・大学へと回帰する中高年者からみる社会人の新キャリア形成
・2030年までに浮上する新職業のトレンドと専門スキルの磨き方

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JNEWS LETTER 2018.1.28
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