鍵無しで電子的に施錠できるスマートロックは2万円前後で取り付けられる製品が多数登場。それらを活用してユニークなレンタルビジネスを立ち上げることができる。
スマートロックを活用したレンタルビジネス

JNEWS会員配信日 2017/10/12

 自動車の施錠やエンジン始動に、機械式の鍵を使わないスマートキーシステムが登場したのは2000年代からのこと。さらに、近い将来には“鍵”の存在自体も無くなろうとしている。電子化されたスマートキーをスマートフォンのアプリに組み込むことは、各自動車メーカーが検討しはじめている。

スマートキーの導入は、ユーザーの利便性が高まることに加えて、防犯上の性能が高まることも実証されている。警察庁の統計によると、国内の自動車盗難件数はスマートキーが普及した最近の15年で1/5に減少している。

これからのスマートキーは、自動車の他にも、住宅やオフィス、その他の施設にも普及していくことが予測されている。グランドビューリサーチ社のレポートによると、世界で不動産向けスマートロックシステムの市場規模は、2024年までに242億ドル(2.7兆円)にまで成長すると予測している。スマートロックの仕組みは、暗証番号の入力、または専用のアプリからWi-FiやBluetoothの無線通信によりドア側のセンサーに認証情報を送信して、解錠・施錠を電子的に行う。そのため物理的な鍵を使わずに、入室者の管理や制限を柔軟に行うことができる。

スマートロックシステムの開発については、既に多くの新興企業が参入しており、2万円前後の価格で、玄関ドアの鍵をDIYでスマートロックに変えられる製品を販売している。


August Smart Lock(275ドル)


ただし、スマートロックの性能は進化の途中にあり、使い方が煩わしかったり、信頼性の不安が無いわけではない。現実に、Airbnbの認定パートナーにもなっているLockState社のスマートロックは、ファームウェアのアップデート失敗により、ドアの解錠ができなるトラブルを起こしている。スマートロックはセキュリティ面でもソフトウェアのアップデートが不可欠になるため、開発会社が倒産などで消滅しないことも重要になる。

それでもスマートロックの可能性は大きく、鍵の役割が大きく変わることで、消費者のライフスタイルや、企業のビジネスにも影響を与えると見られている。鍵の受け渡しをせずに、解錠・施錠のアクセス権を複数のメンバーで共有することができるため、アイデア次第で様々な新サービスを生み出すことも可能だ。

ただし、鍵を共有することのリスクもあり、青写真として描いた新サービスが消費者から支持されるとも限らない。スマートロックには長所の短所の両面があることを理解して、適正な用途で上手に活用すれば、ユニークなレンタルビジネスを立ち上げることができる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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・新たな鍵共有サービスを生み出すための視点
・企業が導入する不正対策としてのスマートロック活用
・宅配便の再配達率を軽減する宅配ロッカーの仕組みと問題点
・個人でも立ち上げ可能なシェアリング・プラットフォーム

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JNEWS LETTER 2017.10.12
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