iPhoneアクセサリー商品を生み出す個人起業家の開発モデル

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iPhoneを便利に使えるようにするアクセサリー用品の多くは、個人起業者のアイデアによって生まれている。米国では、大手のメーカーを頼らなくても、自らが資金を集めて、商品の試作から発売までを行える仕組みが確立してきている。

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iPhoneアクセサリー商品を生み出す
個人起業家の開発モデル

written in 2012/12/20

iPhoneとiPadの関連アクセサリーの市場規模は、米国内だけで23億ドル（約1900億円）と言われており、iPhone用のカバー、ポータブルキーボード、スピーカー、車載ホルダー、携行用の充電キットなどが多数発売されている。

ただし、ゼロから商品の開発～製作をするには、相応の資金が必要となり、見込みが外れて、商品が売れなければ、大きな損が生じるリスクがある。そのため個人のスモールビジネスとしては手掛けにくい領域であった。

しかし、クラウドファンディングサイトの「Kickstarter（キックスターター）」を活用することで、そのリスクを軽減して、商品開発を手掛ける個人の起業家が登場してきている。キックスターターでは、一人数ドルからの小口資金を個人から広く集めることができるが、その謝礼として何らかの「Pledge（誓約）」を果たすことが義務になっている。多くの場合は、完成した製品を優先的に提供することにしているため、優先予約販売のような形で、商品開発に必要な資金を獲得することができる。

ただし、目標設定した資金額に出資の合計が届かない場合には、すべての出資金がキャンセルとなってしまうため、「これは欲しい」を思わせるだけの、商品アイデアや企画力が問われる。これを逆手に取ると、キックスターターはテストマーケティングの場として活用することもでき、そこで高評価を得られた試作途中のグッズは、発売後にヒットする確率が高いといえる。

《キックスターターによる資金調達の流れ》

　

　個人でも、新商品の秀逸なアイデアがあれば、それをキックスターター上の出資者にプレゼンすることで、迅速に資金を獲得して、商品を実用化することができる。大手のメーカーが、同じアイデアに気が付く前に、商品を発売できるスピードが重要だ。

シカゴ在住で、ヘッドフォンメーカーとデジタル・ヘルスケア会社で働く二人の若者が考案した「Nomad cable（ノマド・ケーブル）」は、iPhone 5用のコンパクトなキーホルダー型の充電ケーブルで、オフィスや外出先でiPhoneのバッテリーが無くなった時に、キーホルダーから外して充電のために使うことができる。

外出先に電源のコンセントはあっても、ケーブルを持参していないために充電できないというのは、よくある話だが、長い充電ケーブルを毎日持ち歩くのは面倒だ。そこで、キーホルダーに取り付けられる、長さが数センチの充電ケーブルがあれば便利。iPhoneが「5」になってからは、充電端子が「ライトニング」という小型の形状になったことで、キーホルダーにも付けやすくなったことから、この商品が考案された。

このアイデアに対して、５ドル以上の出資をすると、ノマド・ケーブルの実物が無料で送付されるという特典（誓約）により、29,000ドルの目標額に対して、1600人以上から38,000ドル（約310万円）を超える資金が集まっている。

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JNEWS LETTER 2012.12.20
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