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  米大学生の就職活動は、夏休みに各企業が募集するインターンシップに参加することが主体になっている。参加期間中に、給料が支払われるのは普通で、その中で、本人の能力や仕事に対する適性が判定されていく。
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秋入学前の「夏休み」を活用した
米大学生のリクルート活動
written in 2012/3/26

 日本の入学式といえば、桜が咲く4月と決まっているが、世界からみるとこれは珍しくて、ほとんどの国では9月が入学シーズンにあたる。米国は9月最初の月曜日が「Labor Day(勤労感謝の日)」で、その翌日から新学年がスタートする。なぜ9月なのかには諸説があるが、日本よりも冬の季節が厳しいため、4月よりも9月のほうが入学シーズンに適しているということはあるようだ。

そこで、日本の大学もグローバル化を図ろうと、東京大学が「秋入学」移行を検討しはじめたのは周知の通り。これには賛否両論あるが、実行するなら東大だけでなく、他の大学や、小中高校も足並みを揃えないと上手くいかないだろう。

これからの教育で大切になるのは、「国際的な感覚や海外経験のある人材を育てること」だが、そのためには自国から海外、海外から自国へと学生の移動をしやすくして学ばせること(留学)が不可欠である。しかし、日本だけがその波に乗り遅れることは、将来の経済や国力にも影響してくる。

世界の留学生は、1975年には80万人だったのが 2007年には300万人となり、2025年には 800万人にまで増加することが予測されている。その中で、留学先として人気が高いのは米国で全体の19.7%、その次が英国の11.6%。一方、日本への留学生は4.0%に過ぎない。

《世界の留学生の入学先》

  

日本は教育水準が高いわりに、留学生が少ないのは「日本語の壁」が関係しているため、秋入学に移行したからと言って、すぐに留学生が増えるわけではないが、秋入学には「大学生の夏休みの過ごし方が変わる」という、もう一つのメリットがある。

日本では、4月が新年度の始まりで最も緊張するが、5月を過ぎた頃からは学校の雰囲気に慣れ始めて、力の抜き方もわかってくる。7〜8月の夏休み期間は一年を通して最もリラックスできる時期であり、余程の目的意識がなければダラダラと過ごしてしまいがちだ。

米国の大学生も、夏休みは開放的な気分になるのは同じだが、就職に向けたキャリアを積むために、ボランティア活動や、企業へのインターンシップ(就業体験)に参加するケースが多い。米国の履歴書は、日本の文具店で売られているような定型の書面があるわけでなく、自由なレイアウトで自分をアピールしていかなくてはならない。その中では、豊富な社会経験が評価されるため、学生達は夏休みを利用して研鑽を積むのである。

《米国大学のスケジュール(2学期制》

  

そのため、優秀な人材を採用したい企業にとっても、夏休みは、学生との接触や交流や図るための重要な期間になっている。学生の側でも、企業の内情を知るために、自分が興味のある会社のインターンシップに参加することは有意義であり、それが優良企業であれば、他社に応募する時の実績としても役立っている。



米国の就職活動は、日本よりも実戦的な内容になっており、インターン(研修生)とはいえ採用基準は厳しくて、その難関をクリアーして夏休み期間を働けば、相応の賃金が支払われるのが通例。一方で、学生はその会社が将来どれだけ有望なのかをシビアに見定めながら就職先を決めている。その仕組みがどうなっているのか、米国の夏休みに展開される就職活動の様子を紹介することで、日本でも秋入学が導入された場合の影響、それによってリクルート業界がどのように変わるのかを考えてみよう。

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この記事の核となる項目
 ●インターンシップから始まる就職活動
 ●学生と企業を仲介するインターンシップ求人サイトの仕組み
 ●企業からインターン大学生への報酬実態
 ●人気が殺到する優良企業のインターンシップ制度
 ●グーグル、フェイスブック社にみるインターン育成
 ●米企業が行う優秀学生へのスカウト合戦
 ●エリート学生が考える就職先の投資対効果
 ●投機ビジネスへの頭脳流出と巨額寄付マネーの関係
 ●10代で「自分のビジネス」を持つハイスクール起業家の台頭
 ●名門大学を目指す米国家庭の資金調達法と逆留学による裏技
 ●新興国のエリート人材が鍵を握る今後の国際ビジネス動向
 ●公立教育の崩壊で多様化する米国教育ビジネスと受験勉強
 ●価値が下落する学歴社会に求められる教育投資効率の考え方
 ●欧米の名門大学にみる本物の奨学制度と同窓会組織の価値


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JNEWS LETTER 2012.3.26
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