注目の新規事業テーマ
  
Top > 注目の新規事業テーマ
  世界で1400店舗以上を展開し、日本でも人気のファッションブランド「ZARA」はスペインに本社がある企業で、これまでの欧州にある高級ブランドとは異なる経営手法で急成長している。
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter
ソーシャルブックマーク
JNEWS.com を Yahoo!ブックマークに追加 Yahoo!ブックマーク
JNEWS.com を はてなブックマークに追加 はてなブックマーク
JNEWS.com を livedoorクリップに追加 livedoorクリップ

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
ZARAの急成長が示す
新興ファッションビジネスの幕開け
written in 2011/8/3

 世界的なファッションブランドとしては、ルイヴィトン、エルメス、シャネル、ディオールなど多数あるが、いずれも「ブランド=高級品」という位置付けで、ファッションに興味のある女性にとっては憧れの存在である。しかし昨今の経済情勢では、収入も減ってきていることから、無理をして高級ブランドの服を買うよりも、もっと安価なブランドを利用して、自分流のオシャレを楽しもうとする若者が増えている。日本で安価なファッションブランドといえば、「ユニクロ」が筆頭に挙げられるだろう。

それはファッションの聖地である欧州も同様で、日本円で数万円以上する高級服よりも、数千円で楽しめる「ファストファッション(fast fashion)」が人気である。これは、最新の流行を採り入れながらも、低価格に抑えた新ブランドのことを指しており、ユニクロにみられるSPA方式(製造直販型小売業)により、商品の企画、デザイン、製造、販売までの工程をすべて自社で行うことでファッション業界に価格破壊を起こしている。

※「ファストファッション=早くて安いファッション」が語源。

ただし、欧州のファストファッションがユニクロと若干異なるのは、商品のデザインが多彩で、豊富な品揃えの中から自分に似合う服を選びやすい点で、パリコレクション(パリコレ)などで紹介された最新デザインを真似た服が、数ヶ月後には安価なブランドから販売されている。そのため欧州の若者は、使い捨て感覚でファッションを楽しめるようになってきた。

その中でも、人気の安価ブランドとして急成長しているのが、スペインに本社のある「ZARA(ザラ)」で、1975年にスペイン国内で第一号店を開店した後、次々と海外進出をして、現在では世界70ヶ国以上で1500店舗を展開している。日本にも50店舗があることから、若い女性を中心としてファンが増えている。



ZARAの特徴は、ゼロから流行を生み出すのではなく、既に流行り始めているファッションの動向を俊敏にキャッチして、企画からわずか数週間で新商品を世界の店舗に流通させている。服の製造は、人件費が安いスペイン国内の工場または、東欧やアジアの新興国に発注されているため、価格は高級ブランドよりも1桁安い。しかも、少量多品種で過剰な在庫を持たない方針のため、同じ服を着ている人が少ないところが、女性から人気となっている。

《ZARAの製造直販型小売システム》

  

日本でZARAのブランド戦略は、「高級ブランドより遥かに安いが、ユニクロよりは高い」という路線だが、欧州で売られているZARAは、ユニクロとほとんど同じ価格帯で売られており、日本での実売価格の半値程度になっている。このような欧州の新ブランドは、ZARA以外でも多数立ち上がってきており、これまで高級志向が強かった女性服の分野においても価格破壊は進んでいきそうである。

ZARAにしても、単独で経営されているのではなく「Inditex(インディテックス)グループ」というアパレル企業が所有するブランドの一つで、同社はそれ以外にも多数のファストブランドを世界で展開している。さらに、同じスペインで「Cortefiel(コルテフィエル)」という企業も同様のビジネスモデルで急成長して、世界のファッション業界に影響を与えている。

ところが、その中では、日本に未上陸の新ブランドが多数存在しているおり、その流行差を利用した、新たなファッションビジネスを生み出すことが可能になっている。そこで今回は、欧州のアパレル業界でどんな変化が起こっているのかを学びながら、日本向けの新ビジネスを考えてみたい。

注目の新規事業一覧へ

この記事の核となる項目
 ●ファッション業界に影響を与えるスペインの理由
 ●ZARAを経営するINDITEXグループの実像
 ●INDITEX社の集客戦略について
 ●日本未上陸ファッションブランドへの着目
 ●ネットが縮めるファッションの国境格差
 ●欧州から日本へのバイヤー代行ビジネス
 ●海外バイヤーと日本消費者を結ぶオンラインモール
 ●在庫負担の無いバイヤービジネス仲介サイト
 ●海外在住の日本人が手掛けるバイヤービジネス
 ●アンチ大量生産の消費者に支持されて急成長する手芸サイト
 ●眠れるモノ資産の価値を再生する新卸売りビジネスの役割
 ●ネット時代の円高還元スタイル〜米国発買い物代ビジネス
 ●市場から抹殺される返品商品を専門に取り扱う裏の流通業者
 ●女性起業家がリードする"スペシャリスト"としての新テーマ


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2011.8.3
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●円高ユーロ安を好機と捉えた欧州ビジネスの狙い方と有望国
 ●欧州女性が挑戦するファッショニスタの道と新ブログ文化
 ●ネット時代の円高還元スタイル〜米国発買い物代ビジネス
 ●世界の有力企業が注目するブラジル経済と2億人の消費市場
 ●アパレル業界が生み出してきた「流行」の正体とカラクリ