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  米国の家庭では「クーポンを上手に利用すること」が、賢い主婦にみられる傾向で、グルーポンのようなサービスにも肯定的な印象を抱いている。それ以外でも、様々なデジタルクーポンを利用した買い物の方法が考案されている。
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アナログからデジタルへ移行する
米国クーポンの賢い使い方
written in 2011/6/27

 やり繰り上手な主婦は、スーパーのチラシを毎日見ながら、本日の特売品をチェックして買い物に出かけるのが習慣になっている。そのため地域のスーパーは、年間で数千万円の広告費を注ぎ込んでチラシの配布をしている。チラシ1枚の印刷〜配布にかかる費用を15円として、店舗周辺の1万世帯へ週に2回の配布をすれば、年間(約100回)で「1500万円」という計算だ。

大手のスーパーチェーンとなれば、さらに予算は莫大で、イオンの場合で年間に1000億円もの広告費をかけている。だからと言って、資金に余裕があると言うわけではなく、広告宣伝をしないと来店客を集められないという悩みを抱えている。裏を返すと、それだけ消費者は、特売やセール情報に対して敏感に行動する習性がある。

それは米国でも同様で、消費者は常に、地域の店舗が行う「Daily Deal(本日限定の特売セール)」を気にしている。ただし、日本の広告チラシと若干異なるのは、新聞やチラシに印刷されているクーポンを持参した人に対してのみ、特別な割引が行われる仕組みになっていることだ。

これなら、その日のうちに広告が読み捨てられてしまうことなく、自分が必要だと思うクーポンを大事にストックしてもらえる。eBayなどのオークションサイトでは、自分が使わないクーポンを「20枚まとめて10ドル」というように、転売することも行われているほどだ。

さらに、最近では「グルーポン(Groupon)」のような業者により、初期費用をかけずに集客できる手法も登場してきた。その代わりに、クーポンの売上に対して、およそ5割の手数料(成功報酬)を支払うシステムについて、米国の商店主も賛否は両論で、グルーポン側は、新規のクライアントを獲得するための営業活動(主に電話セールス)に奔走している。



《グルーポン・シカゴ地区の業績推移》

  

グルーポンがIPOのために開示した財務資料によると、全社としての収益は赤字の状態だが、これは、全米各地のローカル商圏へ次々と進出して、新規のクライアントを獲得するマーケティング費用が嵩んでいるためで、経営上の課題はあるももの、米国消費者からの評判は決して悪くない。

グルーポンの株価が上がるか下がるか、という話は別として、これからローカル店舗の集客に各種のクーポンが活用されていくことは、できるだけ広告予算を節約して集客効果を高めたい、日本の店舗でも意識しておくべきだ。米国では、クーポンを活用したローカルマーケティングが40年以上前から盛んに行われているが、今がちょうど「紙クーポンから電子クーポン」への移行期といえる。そこでは、どんな集客の実績が生まれたり、どんな新サービスが登場しているのかを見ていこう。

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この記事の核となる項目
 ●紙とネットが融合しはじめた米国のクーポン事情
 ●大手メーカーのクーポン配布による集客ルート解説
 ●中小店舗の紙クーポン配布ルート解説
 ●クーポン情報サイトからの集客ルート解説
 ●グルーポン型電子クーポンの競争と成長
 ●クーポンによる集客に向いたサービスの特徴
 ●グルーポンで1700人を集客したツアー会社の採算構造
 ●クーポン販売による集客は得か損か?
 ●オンラインクーポンによる販促の特性
 ●スーパーの会員カードに入り込むグルーポンの新展開
 ●スーパー会員カードとクーポンの連携モデル
 ●地域の商工会と提携するクーポンサイトの集客モデル
 ●ローテク広告で行うリアルビジネスの集客術と費用対効果
 ●地域の団体をビジネスパートナーとして販路開拓する企業戦略
 ●変わるリアル店舗の集客経路と消費者を味方に付けた情報戦


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