注目の新規事業テーマ
  
Top > 注目の新規事業テーマ
  ネットから収入が得られる選択肢や、フリーランスとしての仕事を受注できるプラットフォームが普及することで、本業と副業を両立させたサラリーマンの生計モデルが成り立つようになってきた。その具体的な方法について解説。
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter
ソーシャルブックマーク
JNEWS.com を Yahoo!ブックマークに追加 Yahoo!ブックマーク
JNEWS.com を はてなブックマークに追加 はてなブックマーク
JNEWS.com を livedoorクリップに追加 livedoorクリップ

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
残業から副業へ変わる
エリートサラリーマンの生計モデル
written in 2010/11/23

 日本の経済がまだ元気だった昭和の時代、サラリーマンがマイホームを購入することにも前向きだったのは、新たな支出として増える住宅ローンの支払い分くらいは、残業時間を増やせば何とかなるという見通しが立てやすかったことがある。

サラリーマンの生活費は、勤め先の会社から毎月支払われる給料に依存していることは、昔も今も変わらないが、その内訳は、所定の労働時間(1日8時間)に対する賃金(基本給)と、それを超過した所定外労働の残業手当によって成り立っている。基本給は、役職が昇進しないとなかなか上がらないが、残業手当については、社内に豊富な仕事があり、自分に働く意欲があれば、翌月からでも増やすことができるため、家計の懐具合に合わせて変動させられる収入の調整弁になっていた。

ところが、月給に対する残業手当の割合は、平成の頃から減少の一途を辿っており、ボーナス給のダウンと共に、サラリーマン世帯の生活設計を不透明にしていることは間違いない。

《所定内賃金に対する残業手当率の割合》

  

学歴別にみると、高学歴になるほど残業手当率が少なくなる傾向が顕著で、高卒者が 10.4%であるのに対して、大卒者は6.5%しかない。高学歴者ほど、管理職や実力主義の給与体系が適用されていることが理由である。

彼らの収入は、会社の業績や個人の成績に連動した賞与(ボーナス)の割合が高いのが特徴で、年収に対して3割近くを占めている。社員数100名以上の企業に勤めている大卒者以上の平均年収を役職別に示すと、以下のようになるが、景気の低迷が続くと、ボーナスの支給額は減少していくことになるため、高学歴の役職者ほど、大幅な年収ダウンになることを覚悟しておく必要がある。

《大卒者以上の役職別平均年収と内訳》

  

これまでは“勝ち組”に属していたエリートサラリーマンでさえ、オプション給を期待しなくても、生活設計が崩れない収益構造を作ることが、今後の課題となるわけだが、その方法としては、やはり本業の他にも、副業を持つことが良い。米国ではリーマンショック以降、ホワイトカラーの副業者が増えており、新たな労働市場を形成しはじめている。

いまエリート人材が行える副業モデルには、大きく3種類がある。一つ目は、ショップを開業したり、フランチャイズに加盟するなどの方法で自分ビジネス(商売)を立ち上げることで、自動販売機や不動産のオーナーとなって賃料を稼ぐことも、その中に含まれる。ただしこの方法には、元手となる資金と、商売のセンスが必要だ。

二つ目は、アフィリエイトプログラム、iPhoneアプリや電子書籍などの販売プラットフォームやクラウドビジネスに参加して、ネットからのマージン収入やコンテンツ料を稼ぐ方法。これには多額の開業資金は必要なく、誰でも副業として始められるが、その中で魅力的な収入を稼げるのは、ネットのセンスやコンテンツの創作力に長けた一握りの人達で、残りの大多数は自分の労力をマネタイズ(収益化)できないままに終わっている。

そして、三つ目の副業モデルといえるのが、本業として勤めている会社以外に、もう一つの会社からも雇われることである。正しく言えば、二つ以上の会社と同時に雇用契約することはできないため、副業社員としての採用は、“独立業務請負人(インディペンデント・コントラクター:ID)”としての契約を意味している。

副業社員に対しては、月々の固定給が支払われることは無く、仕事の受発注に応じた出来高給となるのが普通だが、その代わりに、正社員のように決められた時間に出勤して就業する必要はなく、仕事の納期や品質さえ守れば、自分の都合の良い時間に、自由なワークスタイルで取り組むことが可能。

《本業+副業社員としての生計モデル》

  

本業の就活さえ難しい時勢に、副業の仕事をどうやって見つければ良いのかと思うかもしれないが、米国では、固定給の負担が無く、高度で専門性の高い仕事を委託できるエリート副業者は、企業にとって“第三の労働力”として採用意欲が旺盛になってきており、関連の人材ビジネスが成長してきている。

注目の新規事業一覧へ

この記事の核となる項目
 ●副業者が職探しをするフリーランス系ジョブサイト
 ●フリーランス・ジョブサイトのビジネスモデル
 ●本業+副業が混在する新たな労働市場
 ●有能なフリー人材を公募するオークション型ジョブサービス
 ●ホワイトカラーに広がるオンライン副業の職種と特徴
 ●欧州で広がる従業員から独立契約者へのシフト
 ●社会保障費の負担から逃れるエリート人材の動き
 ●家計を支える主婦層への起業支援
 ●低級テレワークから女性ビジネスオーナーへの成長
 ●米政府が女性の起業を支援する理由と方法
 ●黒船に乗った新興国の知的ワーカーが迫る労働市場の開放
 ●ワークライフバランス重視の在宅勤務制度とマイクロ起業
 ●自分の専門知識を収益化するオンラン副業プラットフォーム
 ●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
 ●45歳定年説を裏付けるサラリーマン人件費が破綻するシナリオ


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2010.11.23
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●趣味と実益を兼ねた「本業+副業」のマルチワークスタイル
 ●ノーリスクで副収入を得るための着眼と長続きする副業の条件
 ●副業として家賃収入を得る大家業の実態と物件管理の業界構造
 ●クラウドワークとネット副業を普及させるペイパルマネーの実力
 ●安全志向で増えるチキン起業とパートタイムビジネスの接点
 ●プロとアマの境界線を越えたビデオカメラマンの新ビジネス
 ●ダブルインカムを狙った家族法人による副業と家業の作り方