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ソーシャル時代における
新たな流行法則とビジネスモデル
written in 2010/10/8

 古くから「十年ひと昔」というが、いまの時間の流れ方からすると、それが数年か、下手をすると、数ヶ月で目まぐるしく時代が変わっていると感じることはないだろうか。一つの流行を、時代の1小節としてみると、およそ3ヶ月のサイクルで流行のリズムが進行しており、1年を4小節と捉えることができる。

3ヶ月というのは、一つの季節が過ぎる時間でもあるが、経済の流れでみると、上場企業は四半期毎の決算をしなくてはいけないため、そのタイミングで新製品や新事業を発表することが多く、それがヒットすると、一つの流行が生まれることになる。2010年上半期に話題になったものでは、「iPad」「ツイッター」「食べるラー油」など、それに芸能界では「AKB48」が人気となっているが、いずれもビジネスとして仕掛けられた流行である。

しかし、大手メーカーでさえも、百発百中の確率でヒット商品を生み出すことなど不可能で、むしろ、消費者に知られないまま、廃版になってしまう商品のほうが圧倒的に多い。生鮮品を除いた食料品、日用品、その他の市販製品は、POSシステムやデータベースで管理するための商品コード(JANコード)を付けないと、卸業者や小売店で扱ってもらえない商慣習になっているが、その登録アイテム数は 500万品目にもなる。ただしその中で6割の商品は、発売から1年以内に市場から消えている。

《JANコードの登録アイテム数》

  



商品の入れ替わりが激しいことは、メーカー間の競争が厳しくて新製品を開発する負担も重いことを示しているが、その一方で、消費者の買い換え需要を喚起する狙いもある。これは“計画的陳腐化”と呼ばれる手法で、市場が成長軌道にある状態では、モデルチェンジを繰り返す度に、消費者は新モデルへの買い換えをしてくれるため、メーカーは業績を右肩上がりで伸ばすことができる。

家電製品は、まさしくその恩恵に与ってきた業界といえるが、製品の機能向上がある程度まで進むと、消費者の新機能に対する関心や反応も頭打ちとなって、新モデルへの買い換えをせずに、壊れるまで使おうとする傾向が強くなる。携帯電話も、2003年には買い換えのサイクルが平均2年だったのが、現在は3年半に延びている。それだけに、携帯メーカーが“スマートフォン”などの流行に乗り遅れることは死活問題なのだ。

《家電製品の買い換えサイクル(2010年時点)》

  

《携帯電話の買い換えサイクル推移》

  

モノを長く使うというのは、エコの観点からすると良いことではあるが、企業や労働者の視点からみると、「新製品が売れない→業績不振→社員のリストラ」という悪影響が出てしまう。そこで“流行”の仕組みや法則を研究して、短期のサイクルで買い換え需要を生み出せるノウハウを築くことは重要課題といえる。

機能面では飽和点に達している分野の商品でも、何らかの仕掛けをすることで、流行やブームを作ることは可能であり、それが消費者の購買欲を喚起することになる。もちろん、その方法も時代と共に変化してきており、流行の芽を科学的に観測して、速やかに新商品を投入するビジネスモデルも登場している。

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この記事の核となる項目
 ●アパレル業界にみる「流行」の生み出し方
 ●流行色の商品が普及するまでの流れ
 ●ファッションショーによる流行の発信モデル
 ●百貨店の販売不振による流行経路の変化
 ●ソーシャルコマースにおける流行の仕掛け人
 ●服装データベースとブログを融合したファッションコミュニティ
 ●流行の発生から実収入を得るオンライン副業の方法
 ●アドワーズ見積り機能の逆活用モデル
 ●検索キーワードによる宝探しゲーム
 ●生活に関連した、儲かる検索キーワードの特徴
 ●流行を起点とした新たなジャストイン生産
 ●コンテンツ・ミル業者のビジネスモデル
 ●電子マネー報酬で変わるコンテンツ制作の舞台裏
 ●都市伝説を仕掛けるプロダクトプレースメントによる新広告
 ●サクラとは違う素人エージェンシーが仕掛ける口コミ広告


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