注目の新規事業テーマ
  
Top > 注目の新規事業テーマ
  先進国の金融機関が新たな投資先として目を向けているのが、世界で40億人が該当する貧困層で、これはBOP(bottom of the pyramid:ピラミッドの底)市場と呼ばれている。彼らの生活水準を引き上げる中では、様々な新ビジネスが生み出せる商機がある。
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter
ソーシャルブックマーク
JNEWS.com を Yahoo!ブックマークに追加 Yahoo!ブックマーク
JNEWS.com を はてなブックマークに追加 はてなブックマーク
JNEWS.com を livedoorクリップに追加 livedoorクリップ

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
40億人の貧困層へ向かう
起業支援マネーの流れとBOP市場
written in 2010/9/1

 日本政策金融公庫が毎年行っている「新規開業実態調査」によると、脱サラをして新規独立する人の開業資金は、2009年の平均値で1288万円。15年前の調査では1770万円だったことと比較すると、およそ500万円も下がっている。

その理由には幾つかの要因が重なっているが、一つはネットビジネスの方法が確立してきたことで、リアルな店舗や不動産を必要としない起業ができるようになったこと、もう一つは、不況による所得(貯蓄)の低下や、金融機関からの融資が厳しくなってきたことで、開業者が資金のかからない事業を選ぶようになってきたことがある。

近年の様子をみても、不動産を購入した一部の開業者が平均値を押し上げているものの、およそ半数の人達は 500万円以内の資金で開業をしている。さらに、従業員は自分と家族だけで、自宅をオフィスとして使うというケースであれば、「250万円」が開業に必要な資金の目安になっている。

《新規開業資金の平均推移》

  

米国でも少額資金による開業は増えており、3万5千ドル以下の資金で立ち上げた会社のことは「Micro Enterprise(マイクロエンタープライズ)」と呼ばれている。ネットバブル華やかな2000年頃は、ベンチャーキャピタルや裕福な個人投資家(エンジェル)から多額の出資を受けて、株式公開を目指すことが流行ったものの、2008年の金融崩壊以降は、他人のお金をアテにせずに、自己資金でできる範囲からスタートする起業スタイルへと回帰している。

現代の金融テクノロジーを使えば、出資や融資の方法は巧みに開発することができるものの、サブプライムローンにみられたように、実体経済の何倍にも膨らませた、錬金術のトリックはどこかで見破られて、やがて崩壊することになる。その反省を踏まえて、金融の現場にも、様々な規制や制限がかけられるようになり、中小企業や個人事業者に対する資金の流れも変わろうとしている。

その一方で、貧困国の起業家を支援しようとする「マイクロファイナンス」には世界から多額の資金が集まりはじめている。個人からの善意あるマネー加えて、大手の金融機関も、その話に一枚噛むようになってきた。そこにはどんな意図があり、どんな資金のやり取りが行われるのかを掘り下げることで、これからの起業スタイルを考えていくことにしよう。



注目の新規事業一覧へ

この記事の核となる項目
 ●少額化する新規開業資金の推移
 ●転換期を迎える低成長時代の貸金業
 ●融資事業における採算の考え方と督促コスト
 ●金融機関が絞り込む貸出先数推移
 ●人間関係の希薄化と信用のモラルハザード
 ●高学歴者に増える知能犯型延滞者の増加
 ●IT社会+成熟経済における借金経営の是非
 ●事業の立ち上げ〜運営に必要な資金の変化について
 ●少額開業者の非少額開業者の、開業後における採算比較
 ●先進国から貧困国へ向かう起業支援マネーの動き
 ●社会貢献と実益を兼ねた貸金ビジネス
 ●IT先進国が注目するBOP市場
 ●貧しさから抜け出す知恵を与えるヒップホップビジネス
 ●非営利から商用化への道を歩き始めるマイクロファイナンス
 ●消費者ローンの失墜で見直される質屋の商売とモノの価値


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2010.9.1
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●格差社会に仕掛けられた"勝ち組"の虚像と真の顧客ターゲット
 ●生活費の減少を支える米ファイナンシャルエイドのカラクリ
 ●ヤワな日本人には太刀打ちできない一触即発の食糧危機
 ●イスラム商法に学ぶ営利ビジネスの健全化と懺悔の方法
 ●米寄付社会を後押しするオンライン寄付機能のビジネスモデル
 ●企業よりも魅力的なNPOの収益構造と"非営利"の誤解
 ●将来の有望人材を支えるスポンサー事業と社会貢献の融合