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  手芸や日曜大工の材料や情報(ハウツー)が容易に入手できるようになり、既製品を購入するのではなくて、簡単な物なら自作やカスタマイズをしようという消費者が増加。それに伴い、彼らにその方法を指導するDIYエキスパート職が台頭してきている。
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消費者のDIY生活を支援する
新たなエキスパート職の台頭
written in 2010/7/3

 ユニクロへ行けば、服を安く揃えられるようになったのは良いが、それをただ着こなししても“お洒落”とは言われない。そこで購入したTシャツやジーンズに自分だけの装飾をする「プチデコレーション(プチデコ)」が流行っている。その仕掛け役となっているのが、「ユザワヤ」のような手芸用品店で、スパンコールやラインストーンがちりばめられた各種デザインのクリスタルート(1枚2〜5百円程度)が、若い女性や主婦達から人気だ。

百貨店やブランドショップで流行の服を揃えれば、数万円の出費を覚悟しなくてはいけないが、数千円の服をプチデコすることでも、お洒落な服にすることはできる。バブルの時のような贅沢はできなくなっても、自分で少しの手間をかけるだけで、生活を楽しむことはできるわけだ。こうしたライフスタイルは、衣類に限らず様々な生活分野に及んでいる。

「うちごはん」や「パパごはん」は家庭料理を楽しむための新語で、レストランで外食をすることだけが贅沢な食事ではなく、自宅で凝った料理に挑戦する人達も増えている。その背景にあるのが、「クックパッド」のような料理サイトで様々なレシピを入手しやすくなったことがある。

■クックパッド
  http://cookpad.com/

また“日曜大工”をするための環境も、現代では進化している。ちょっとした本棚を自作したいような場合でも、グーグルが無料提供している「SketchUp(スケッチアップ)」というソフトを使うと、自分のイメージする作品の製作工程を3Dでシミュレーションしながら、詳しい設計図へと仕上げていくことができる。製作に必要な材料も、ホームセンターやネット通販でほとんど調達できるため、工作に興味のある人なら、かなり本格的な家具まで自作することが可能だ。

■Google SketchUp
  http://sketchup.google.com/intl/ja/

このように、生活に必要なモノを消費者自らが制作したり、改良することは、「DIY(Do It Yourself)」と呼ばれるが、作り方の情報が入手しやすくなるほどDIY市場は拡大していくことが予測できる。

日本でDIYに関連したビジネスというと、ホームセンターが全国にあるものの、そこで売られている道具や材料を使いこなせる消費者は少なため、在庫の品揃えが十分に活かされていないの実情だろう。一方、米国では、自宅の簡単なリフォーム程度なら自分でやってしまう人が少なくないが、これは、各種のDIYができるマニュアルが豊富に公開されており、自分の手に負えない部分だけを専門家に任せられるようなネットワークも存在していることが大きく関係している。

メーカーや小売店にとっても、既製品を売るだけではビジネスの行き詰まりを感じていることから、趣味を兼ねたモノ作りを自分の手でしたい「DIY消費者」を育成して、彼らとの良好な関係を築くことが、次のビジネスモデルとして浮上してきている。
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この記事の核となる項目
 ●請負職人からDIYエキスパートへ転身する動き
 ●住宅リフォーム市場の拡大で増えるるDIY消費者
 ●DIY市場を後押しするハウツーサイトの台頭
 ●自分のスキルをマネタイズできるハウツーサイトの仕組み
 ●ハウツービデオサイトの収益構造とビジネスモデル
 ●DIY消費者と下請け職人のマッチングモデル
 ●職人との直取引ができるリフォーム仲介サイト
 ●DIYユーザーから「アマチュアメーカー」への飛躍
 ●究極の自家製ワインを生産するアマチュアメーカー育成事業
 ●健康と安全性にフォーカスした食品分野のDIY市場
 ●アマチュアメーカーに向けたワイナリービジネス
 ●趣味と実益を兼ねた「本業+副業」のマルチワークスタイル
 ●アマチュア作品の流通を仲介する委託問屋のビジネスモデル
 ●頭で稼ぐ職業に存在する「収入と時間の壁」の乗り越え方


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JNEWS LETTER 2010.7.3
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