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雑種犬をステイタスにする
新たな血統書ビジネスの道筋
written in 2009/11/1

 ペットを飼ったことのある人なら、犬や猫にもそれぞれ性格があって、躾(しつけ)が楽な子と、とても苦労する子の違いがあることを知っているだろう。その違いがどこから現れるのかといえば、飼育された環境もあるが、それよりも大きいのは“血統”の違いである。ただしそれは、血統書の有無だけで判断することはできない。

ペットショップで20万円以上の値札が付いている子犬と、タダでも里親が見つからない子犬のどこが違うのかといえば、血統書が有るか無いかの違いである。それでも血統書が無い犬(=雑種犬の扱い)はどこか不安を感じてしまう購入者は多い。確かに犬は、学習や知性によって性格をある程度は修正できる人間よりも、親の血筋をそのまま引き継ぐと言われている。

「血統書」は動物にとっての戸籍のようなもので、生年月日、性別、犬種の他に繁殖者の氏名、兄弟犬の登録番号、両親犬の訓練資格や賞歴などが詳しく掲載されている。その内容を見れば、子犬がどんな血筋や環境で産まれてきたのかがわかるため、子犬の飼い主にとっては飼育の目安になるし、さらに成犬となって子を繁殖した時にも、犬の系図や特徴を伝えていくことができる。

日本ではペットとして飼育されている犬・猫の数が2000万頭にもなり、3軒に1軒の世帯でペットを飼っている計算だ。その一方で、家庭の事情により飼い主から捨てられたり、里親が見つからずに殺処分されている犬・猫が年間で50万頭以上いるのも事実である。

現在のペット業界では、テレビなどの影響で人気種となった犬や猫を全国のブリーダーが一斉に繁殖、血統書を付けて高値で売ることが横行しているが、それも相場の下落によって売れなくなれば“不良在庫”として処分されてしまう。特に昨年からの金融不況によりペットの売れ行きも落ち込んでおり、不幸な末路を辿る子犬が増えているのだ。

それを血統証ビジネスの弊害だと指摘する人もいるが、本来の血統書(血統証明書)は、交配された血筋を正しく管理して需給のバランスに応じた生産量を調整する目的で、馬(サラブレッド)の繁殖から19世紀に考案されたものだ。それが犬猫にも採用されるようになったが、いまの血統書を発行するプロセスには曖昧な点が多くて、血筋を偽装することも容易だと言われている。

しかし、十数年前までとは違って、現在では遺伝子検査などによって動物の血統を正確に把握、管理することは実現可能になっている。それにより、純血種に限らず、雑種でも先祖の血筋を特定して、しつけや里親探し、計画的な繁殖のための情報として活用すれば、不幸になる命を救うことができるかもしれないのだ。

現在のペット業界は「命の売買」を中心に展開されているが、それを「血統の管理」に置き換えることにより、命を粗末にしない理想的なペットビジネスのモデルを確立することができないか?その方法を考えていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●血統書付きブランド犬の流通構造と在庫処分の実態
 ●生まれた子犬の買い取り〜流通ルートについて
 ●犬種団体の役割とペットビジネス利権
 ●犬種団体による血統管理ビジネス
 ●血統書の中に記載されている情報の意味
 ●犬種団体が仕切る子犬の繁殖と流通
 ●欧州の犬種団体による繁殖管理の方法
 ●純血種に拘らない血統ビジネスの視点
 ●血統を超えた使役犬としての社会貢献
 ●セラピードッグにみる雑種犬のステイタス


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JNEWS LETTER 2009.11.1
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