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組織には頼らない米タレントの求職活動と
オーディション市場
written in 2009/9/8

 将来のアイドルを発掘する「スター誕生」がテレビで放映されたのは、いまから35年以上も前のことになる。この番組からは、山口百恵やピンクレディをはじめ多数のアイドルが輩出されて、芸能界に憧れていた当時の若者にとっての登竜門であり、審査員席の著名な作詞家や作曲家から高い評価を受けることが、成功へのパスポートになっていた。

平成の時代に入ってからもオーディション番組はたびたび企画されて「ASAYAN(あさやん)」という番組からは、モーニング娘。が生まれている。この番組がスタ誕と違ったのは、合格者の選考方法が審査員の意見だけでなく、視聴者からの人気度を巧みにリサーチした上で決められていたという点である。

そして現在でも、各種のオーディションは存在しているが、出演者の評価はネットユーザーが決める時代へと変化してきている。英国では「ブリテンズ・ゴット・タレント」というテレビのオーディション番組が人気となっていて、歌やパフォーマンスを披露する素人出演者に対して、審査員が辛辣な評価で挫折を与えながら才能を引き出していくという演出をしているが、その映像が YouTubeにアップされると、何千万件というアクセスが殺到、出演者に対する感動や同情が寄せられて人気に火が付くという流れになっている。

携帯電話のセールスマンとして平凡に暮らしていたポール・ポッツ氏は、長年抱いていたオペラ歌手になる夢を諦めきれず、2007年に同番組へ出演したところ、彼の恵まれなかった生い立ちや闘病生活などの経緯と、彼の風貌からは想像できない美声が感動を呼び、YouTube に投稿された映像の総アクセス数は1億回を超す人気者となってレコードデビュー、世界で3百万枚を超す大ヒットを生み出している。

ポール・ポッツ氏のオークション映像

テレビ局とネットの関係は、著作権の絡みから映像の転載が許可されないケースが多いが、動画サイトに投稿された一つの映像に数百万、数千万人というユーザーがアクセスする程の力を持つようになると、テレビ局としても「テレビ>ネット」という強気な姿勢を改める必要があるだろう。しかしその時には、既にテレビの力は借りなくてもネットだけで、メジャーなスターを生み出せるようになっているかもしれない。

日本でも、従来のマスメディアは使わずに、ネットに自分の写真や映像を投稿することだけで絶大な人気を誇る“ネットアイドル”が登場してきている。彼女達は芸能事務所には所属せずに、自分のブログやコミュニティを拠点として情報発信をすることでコアなファンを獲得し、オリジナル写真集やDVDの販売、雑誌のグラビアやライターとしての記事執筆、ネット関連イベントへのゲスト出演などにより独自の収入源を築いている。以前のように、アイドルになるには芸能事務所からスカウトされて、テレビ局のプロデューサーに気に入られて、という順路を踏む必要は薄れているのだ。

この動きは芸能界だけでなく、サラリーマンの世界でも意識しておく必要がある。失業や転職で次の仕事を見つけなくてはいけなくなった時、ハローワークや人材紹介会社に登録し、定型の履歴書を提出して返事を待つだけの就職活動というのは、いまやまったく効果無しといっても過言ではない。それよりも新しい方法で自分の評価や知名度を高めて、自分を売り込む術を身につけたほうが賢い。欧米ではソーシャルネットワークや「Twitter」のように新しい情報ツールが、求人・求職活動に活用されはじめているが、それがどのような仕組みによって展開されているのかを見ていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●組織には頼らない米タレントの求職活動
 ●米タレント業界に起こる組織離脱とオーディション情報
 ●オーディション情報サービスの仕組み
 ●ネット媒体から生まれる素人タレントへの需要
 ●素人タレント発掘による人材ビジネス例
 ●ビジネスマンのネット就活とオンライン人格
 ●多様化するネット表現の選択肢と新メディアからの人材発掘法
 ●テレビ局を超えはじめたビデオブロガーの台頭
 ●企業はツイッターをどう活用するべきか?
 ●大学サイトとツイッターによる就職情報の配信モデル
 ●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
 ●劇場型ビジネスを演出するスペシャリストと本物の人格作り
 ●花柳界の徒弟制度に学ぶ人材育成システムと独立支援の方法


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