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  日本で使用済み携帯電話が回収〜リサイクルされている割合は全体の1割未満。一方、米国では中古携帯のリサイクルビジネスが、新品に匹敵するほどの市場規模で成長しているが、その違いがどこにあるのか、携帯リサイクルのビジネスモデルを解説。
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都市鉱山から使用済み携帯電話を回収する
ビジネスモデル
written in 2008/11/16

 日本は資源の無い国として知られているが、その常識を覆すレポートが2008年初めに発表されて注目を集めた。それは独立行政法人の「物質・材料研究機構」によるもので、精密機器や電子部品などに含まれる形で、国内に蓄積されている希少金属(レアメタル)の埋蔵量は、世界有数の資源国に匹敵していると言うのだ。同機構の調査によると日本国内には、金が 約6,800トン(世界埋蔵量の16%)、銀が 約60,000トン(22%)、イリジウムが約 16%、というように世界の埋蔵量に対して1割以上の希少金属が日本国内に眠っている。

《日本国内に眠る希少金属(レアメタル)の埋蔵量》

これらのレアメタルは廃棄される工業製品の中に多く含まれていることから、日本は世界有数の“都市鉱山”とも言われている。ところがレアメタルのリサイクル率は決して高いというわけではない。都市鉱山の鉱脈として注目されているのが携帯電話で、1万台の使用済み携帯電話を回収すると 約300グラムの金が採取できると言われている。これと同じ量の金を自然界から集めるには、6万トン以上もの金鉱石を採掘しなくてはいけないことから、廃棄される携帯電話にはそれと同等の価値があるというわけだ。

ところが実際には、携帯電話の普及台数は1億台以上にまで伸びているにも拘わらず、使用済み携帯電話の回収台数は以前よりも大幅に低下している。これには携帯にメモリーした個人情報が漏洩することに対する不安や、カメラなどの機能はまだ使えるため、捨ててしまうのはもったいないという所有者の心理があり、家庭内には使われなくなった携帯電話が大量に眠っているとみられている。

《携帯電話の普及台数と回収台数(国内)》

レアメタルは石油と同様に、工業や経済にとって重要な資源であることから、日本ではレアメタル備蓄制度を1980年代から実施しているほど。この制度では、国が管理する倉庫の中で20日前後の消費量にあたるレアメタルをストックしているが、もちろんそれで十分というわけではない。そこで経済産業省でも、携帯電話の回収率を高める方針を打ち出して、携帯販売店にも協力を呼びかけているが、その具体的な回収方法については頭を悩ませているような状態だ。



そんな動向からすると、携帯電話に限らず、使用済みのデジカメや情報端末を回収する事業には商機がありそうだが、どうして回収が上手くいっていないのだろうか?それは従来のゴミや廃棄物と同じような発想で回収を考えているところに理由がある。たとえ“使用済み”とはいえ、携帯電話をはじめとした情報端末は個人の手帳と同じであり、大切な個人の記録や思い出が詰まった貴重品である。これを「廃棄物として回収します」といっても簡単には差し出したくないのが心理である。その壁を超えて回収率を高めるには、善意や社会貢献の気持ちに訴えるしかない。その具体的なビジネスモデルを紹介していこう。
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この記事の核となる項目
 ●回収ではなく“買い取り”による携帯リサイクル事業
 ●地域団体を活用した携帯電話の回収ルート
 ●意外な場所から掘り起こせるレアメタルの回収と再商品化
 ●携帯リサイクルビジネスの採算と回収ルートの見つけ方
 ●携帯電話よりも効率が良い“入れ歯”の回収ビジネス
 ●不要な入れ歯の回収をするビジネスモデル
 ●大切な人の遺灰をメモリアル商品に蘇らせるビジネス
 ●貴金属買取専門店の採算とリサイクルボックスの開発商機
 ●タンスに眠る貴金属買取りビジネスの採算と仕組み
 ●レアメタル回収の急所、リサイクルボックスの開発商機
 ●ベンチャー事業として取り組む資源再生のビジネスモデル
 ●商品の時価を判定する相場情報データベースの運用ビジネス
 ●独自の回収ルート開拓が鍵となるリサイクルビジネス攻略法
 ●ゴミからの情報漏洩を防ぐ巡回シュレッディングサービス


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