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  国内には約22万もの宗教団体が存在、延べ2億人以上の信者を獲得している。この数字には驚くかもしれないが、日本人の大半が、正月は神社へ初詣、 盆や彼岸にはお寺へ墓参りというように、神道と仏教の両方を何らかの形で信仰 している。これが日本人の宗教観だが、そこに新たな動きが出始めている。
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変化する宗教観の中で求められる
お寺の新たな収益モデル
written in 2008/1/15

 正月の里帰りをすれば、実家の仏壇に手を合わせて先祖の墓参りをするというのが日本人の習慣だが、そのスタイルにも変化が訪れている。核家族化が進んだ影響によってお墓参りの回数が減少して墓地が荒れてきてしまったり、お墓を持たないという家も増えてきている。それぞれの人に自分の親や先祖を供養したいと思う気持ちはあるものの、その方法は多様化して、仏壇や墓石だけが信仰の対象ではなくなってきているのだ。それよりも、故人が大切にしていた道具や、故人の面影が記録されたビデオ映像などを大切にしたい人も多いのではないだろうか。

これは現代人の宗教に対する考え方が変化してきているということであり、特に団塊の世代以降が、新たな宗教観を生み出すと言われている。自分が亡くなった時には海に骨を撒いてほしいとか、葬儀の代わりに自分が好きだったジャズのライブをしてほしいといった希望はその一例といえる。そこまで革新的でなくても、墓地や宗教に関する情報をインターネットで収集することは既に一般的なことになっている。そこで各宗教団体側でも、新規の信者や檀家を獲得するための策としてインターネットが欠かせないものになっている。これには、長い歴史のある宗派でもかなり柔軟な姿勢をみせていて、寺の住職がメールによる人生相談を受け付けたり、通販によるお守りの販売、さらに遠方に住んでいる人向けに“ネット墓参り”や“ネット参拝”といった斬新なサービスまで登場してきた。

その背景には二つのことがある。もともと宗教というのは、人の生き方や愛について説くものであって、仏教なら寺の住職がその伝道師役として身近な存在でなくてはいけない。最近の言葉で表現するなら“カウンセラー”と言ってもよいだろう。そうなると悩みを抱えている人が多い現代では、需要に応じて斬新なサービス体系を作っていくことも社会的な使命といえるだろう。もう一つは、宗教をビジネスとして捉えた場合に、ネットが普及したことによって顧客(信者)の獲得〜収益構造が大きく変化してきたことが挙げられる。それは宗教団体にとって都合が悪いというよりも、むしろ追い風で、先祖供養に関することだけでなく、様々な癒し関連サービスに関する商機が広がっている。

ここ数年で「癒し」という言葉が頻繁に聞かれるようになったが、その裏側では心の悩みを抱える人の数が急速に増えていて、うつ病など気分障害の症状で医師の診察を受ける人の数は最近の十年間で3倍以上に増加している。これは日本ばかりでなく、他の先進国でも共通した傾向で、米国では成人の約9%に気分障害の症状がみられるというショッキングなデータもあるほど。そこでは精神的な症状を科学的に診断する手法が進化して、潜在患者の掘り起こしがしやすくなっている影響もあるのだが、現代では昔より強いストレスに晒されながら生きていることは間違いなさそうだ。そこに関連したメンタルヘルスや癒し系サービスと宗教市場がリンクしてきている動向について、今回は掘り下げていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●宗教団体の収益構造と新ビジネスの開拓商機
 ●檀家を組織化しているお寺の収益構造について
 ●神社が手掛ける御守の通販ビジネスと信者獲得のネット戦略
 ●神社の新たな信者獲得と御札の通販ビジネス
 ●御守の通販と霊感商法はどこが違うのか?
 ●インターネット時代の新たな信者獲得策
 ●宗教界が揺れる仮想墓地のコンセプトとサイバー宗教の動き
 ●新たな墓地の仕組み〜オンラインメモリアルサービス
 ●新タイプの信仰者とネット布教活動
 ●心を科学的に解明して業績を向上させるビジネス心理学の世界
 ●新しい葬儀ビジネスの核となる葬祭コーディネート業の欧米動向


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 ●新しい葬儀ビジネスの核となる葬祭コーディネート業の欧米動向