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  商品の時価はその時の正味価値を表すもので、流通市場での人気度や需給のバランスによって決まる。 これは株価と同じで取引値が刻々と変化しているため 、プロの業界関係者でも正確に把握し続けることが難しい。そこで考えられるのが、各商材が流通市場で取引されている相場をチェックしてデータベース化するビジネスである。
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商品の時価を判定する
相場情報データベースの運用ビジネス
written in 2007/12/4

 自営業を営むS氏は愛車を買い換える時期を迎えている。そこで購入候補に挙がっているのが、新車のマークXと3年落ちのクラウンだ。いずれも価格は 350万円前後と均衡している。さてどちらの選択が賢い買い物といえるのだろうか?

価格が同じなら長く乗れる新車のほうが良いに決まっている。いや、クラウンのほうが見栄を張れるではないか、などその人の価値観によっても意見が分かれるところだろうが、経営者なら“3年落ちクラウン”のほうが賢い買い物だという判断が評価される。物の値段には“定価”と“時価”の2種類があって、定価はメーカーが製造原価に利益を加えて算定した価格で、時価は需給のバランスや人気度によって決まる流通市場の相場だ。この例に当てはめると「新車のマークX=定価」「中古のクラウン=時価」ということになる。

新車のマークXを購入したものの、やっぱり乗り心地が気に入らずに1ヶ月でクラウンに乗り換えようとしても、マークXの下取り価格は7割程度にまで下がってしまう。逆に中古のクラウンを購入してから、やっぱり新車のほうが良かったということで1ヶ月後に売ると購入時とほぼ同じ値段で換金することができる。時価で購入したクラウンの価値は、1ヶ月程度ではそれほど下落しないためだ。さらに儲かっている会社にとっては、中古車のほうが減価償却の期間が短いために、節税効果が高いというメリットもある。

自動車の例に限らず、中古品は時価によって取引されているのが魅力で、購入時からの月日が経過しても、人気が下がっていなければ、売却時の金額はあまり下がらない。しかも、旧モデルとなってから人気が出るとプレミア価格として値上がりすることさえある。そのため高額の買い物をする時には、“時価”で値付けがされている商品を選ぶのが賢いといえる。一方、販売店の立場でも、時価を把握した上で仕入れた在庫は換金がしやすい。

中古車の買取専門店はまさにその典型例で、現在の取引相場(時価)よりも20万円安い金額で顧客から買い取れば、それを数日後にオートオークションに出品することで「換金価格−買取価格=20万円の差益」を稼ぐことができる。ただし実際には、中古車業界の競争は年々厳しさを増して、差益は次第に薄くなっているため、より正確な取引相場の把握が重要になっている。

さらにいま活況なのがリサイクル資源の買取業者である。リサイクル可能な資源には鉄や銅などの金属類や、古新聞、古雑誌などの古紙がわかりやすいが、それぞれに取引相場が形成されている。飲料水の缶や自動車のホイール、窓枠のサッシなどに使われているアルミニウムなら、1キロあたり約 280円というのが現在の取引相場だが、これはリサイクルを終えた地金の価格であるため、アルミ缶や自動車のホイールを買い取る際には、再生工場への運搬やリサイクルにかかるコストを計算した上で買取価格を決めないと赤字になってしまう。

これらのビジネスに共通している急所は、取り扱う商品のできるだけ正確な取引相場(時価)から導いた買取価格を算定することにあるのだが、その仕組みはどのようになっているのだろうか?そこを掘り下げていくと、各商材の相場情報を提供している業者の存在にたどり着く。
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この記事の核となる項目
 ●中古ビジネスを支える相場情報の存在
 ●各業界向け相場情報データベースの作り方
 ●素人は知らない不動産成約価格の調べ方
 ●在庫を眠らせて稼ぐ骨董屋の商売とコレクター向け相場情報
 ●プロの骨董品屋が持つ知識とノウハウ
 ●美術品コレクターの相場観はどのように養うのか?
 ●本当の商品価値を算定して換金する中古車金融工学ビジネス
 ●商品の時価を分析、評価するビジネスの到来
 ●自動車リース業界の換金システムを支える相場会社の存在


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