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  チケット制のビジネスといえば各種のイベントがわかりやすいが、それ以外でも代金決済をチケット制にすることで収益構造が改善する業界というのはたくさん存在している。「チケット制の導入=代金前払い制の導入」と発想してみよう。
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ダフ屋だけではない
サービス業界に広がるチケットビジネス
written in 2007/1/7

「チケット」といってイメージしやすいのは、人気アーティストのコンサートチケットなどだが、もともとは切符や入場券のことを指している。世の中で流通しているチケットには様々な種類があるが、その多くは金券としての価値があるためにネットオークションでの売買も頻繁に行なわれている。入手することが困難なプレミアムチケットになれば、定価の2倍、3倍という高値が付くことも珍しくない。商売としてチケットを転売するのには古物商の免許が必要になるが、個人間のやり取りに関しては、その限りではない。個人の小遣い稼ぎとして、ファンクラブの優先予約枠で獲得した人気アーティストのチケットをオークションで転売するような行為はよくみられる。

そこで今回着目したいのは、チケットの転売はダフ屋行為になるのか?という議論ではなくて、チケットそのものの仕組みである。サービス業の経営者からみたチケットは「サービスの中身を金券として前売りすること」になり、代金回収の面からはとても効率が良い。コンサートに限らず、様々なサービスをチケット化して前売りすることができれば、「サービスを提供すること」と「チケットと売ること」を分割して経営を組み立てることができるのだ。

たとえば、人気の占い師には鑑定の依頼者が殺到するが、一日に対応できる人数には限度がある。そこで毎日の鑑定時間を区分けしたチケットを数ヶ月前から販売しておけば、当日の混乱は避けることができる。しかも鑑定チケットの購入者が当日都合が悪くなって来られないとしても、チケットは他人に譲渡することができ、占い師がドタキャンの損失を被ることもない。つまり、時間や座席を切り売りするような分野の業者にとっては、サービスのチケット化が効果的な役割を果たすことになる。

チケットの起源は遠く、ギリシャ時代にまで遡るもので、個人が舞台などのイベントに参加する“許可”を、金を払って獲得していることを示すものだった。これはチケットが「サービスを受けるための権利札」であることを指している。これが「札(ふだ)」であることは、他人への譲渡が可能な点で大きな意味がある。現代においても、そこを掘り下げることでサービス業における新たなビジネスモデルを開拓することが可能だ。
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この記事の核となる項目
 ●身近なところに潜むチケットサービスのニーズ
 ●飲食店が企業の社員向けに販売するランチチケットの流通業者
 ●チケットの発行と直販を支援するサービスの台頭
 ●チケット制によるサービス業界の前払いモデル
 ●サービスのチケット化=バウチャー制度の仕組み
 ●忙しい現代人が追求する"時間の経済性"で高まる予約権の価値
 ●モノ売りから時間売りへの転換〜時間消費型サービスの視点
 ●進化する買取型チケットショップのオンライン対応と販売手法


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