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紙文書の偽造・複製防止に着目した
新セキュリティ市場
written in 2003/11/18

 なかなか入手できないライブなどのチケットを、ネットオークションで二次的に入手することが増えている。ところが、うまく落札できて送られてきたチケットがはたして本物であるかどうかは、当日会場に行くまでわからない。プリンタやコピー機の高性能化により、巧妙なチケットの偽造が増えているからだ。

偽造チケットに対する取り組みとして、たとえばローソンでは今年9月より、紙幣印刷で使用されている高度な偽造防止技術を、店頭で販売するチケットに採用することになった。この技術はローソンの他印刷、コピー機メーカー3社によって共同開発されたもので、チケットの台紙に、コピー機では読みとれないマイクロ文字や特殊な蛍光インキを使ってブラックライトを当てると浮き上がってくる模様を印刷するというものだ。ローソンでは今後、台紙を順次この偽造防止技術を組み込んだものに切り替えていくが、店頭での発券用プリンターは従来のままとしている。

ここ数年は、インターネット上やパソコン内の電子データの不正コピーや偽造、流出に対するセキュリティ技術や関連サービスが注目されてきた。従来の紙書類は廃れ、電子データによる取引が進展していくと考えられてきたためである。

しかし、実際には紙の使用量は減少していないし、相変わらず重要な書類や文書は紙媒体で扱われることが多い。ところがその割には、紙文書に対するセキュリティは意外といっていいほど顧みられていないのが実状だ。IT化の進展が文書の電子化技術を発達させている反面、紙媒体の印刷・複写技術もコストダウン、精巧化を果たしている。そこを突いてきた一例が、偽造チケット問題といえるだろう。

また会社の業務で扱っている重要な書類が、仕事を自宅に持ち帰る社員によって不用意に外部へ流出する可能性がある。社内のチェック体制が甘かったりなどの理由で、実際に犯罪へと結びついた例もある。どんなにオフィスの電子化が進んだとしても、紙の書類は根強く残ることを意識すれば、今後の紙文書に対するセキュリティ対策も必須だと考えておきたい。そこに新しい視点のセキュリティビジネスの未開拓市場がある。


この記事の核となる項目
 ●紙幣に導入される偽造防止技術の動向
 ●用途が拡大するセキュリティ・プリンティング
 ●消費者が促す社内オフィス文書のセキュリティ対策
 ●複写を防ぐためのプリント・ソフトウエア市場
 ●バイオメトリクス技術で広がる個人認証ビジネスの方向性
 ●ゴミからの情報漏洩を防ぐ巡回シュレッディングサービス


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