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博士論文販売サイトに学ぶコンテンツビジネスの仕掛け方

　ネットビジネスのジャンルは「インフラビジネス」「流通ビジネス」「コンテンツビジネス」に大別できて、インフラ、流通に関しては既にたくさんのビジネスモデルが国内でも立ち上がって熾烈な競争を繰り広げているのは周知の通り。しかしコンテンツビジネスに関しては未だ有力な成功事例が少ない。これは技術面の問題ではなくネット販売に適した魅力的なコンテンツが見つけられないでいることに原因がありそうだ。

　従来の考え方では「一般ユーザー層に受け入れられるコンテンツが売れ筋である」とされていたが、大きな市場を確立しているコンテンツは既にインターネット以外の経路で太い販路が完成している。そのためユーザー側にしてみれば「インターネット上で購入しなければならない理由」が見あたらないのだ。

　例えば、音楽ＣＤをＭＰ３ファイルとしてオンライン販売する場合なら、「魅力的な価格設定」「ＣＤよりも早いタイミングで購入できる」「ＣＤでは入手できない楽曲」といった明確なメリットを訴求することが大切である。そのためターゲットとするのはミリオンヒットに右往左往する一般大衆層ではなく、明確な価値観を持っているマニア層に照準を絞った方がネット戦略としては正しい。

　この様に考えてみるとネット販売に適しているのは、未だ他の経路で商用販売されていない、限られた顧客層向けの深いコンテンツであるのかもしれない。その具体事例として注目しておきたいのが、国内で初めて博士論文や各種技術情報のダウンロード販売を開始した「 digital-contents.com デジタルコンテンツドットコム」である。

■digital-contents.com
http://www.digital-contents.com

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＜これはJNEWS LETTER 1999年11月6日号に掲載された記事です＞