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月額サブスクリプション型ミールキット業界の顧客特性

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JNEWS会員配信日 2022/5/2

 内食と中食をミックスした新たなフードビジネスとして、海外では夕食の調理材料を箱詰めしたセットを宅配するミールキットサービスが人気となっている。

米国で33万人の有料会員がいる「Blue Apron」は、新規会員に対して130ドル分の割引きが適用になるクーポンを発行しており、初回から数回分は通常1人1食あたりの料金が11.99ドルのところを、3.24ドルで利用することができる。また、米国と欧州で小規模なミールキット業者を買収しながら、有料会員を850万人にまで増やした「Hello Fresh」では、1回目の配達で料金が50%オフ、2回目の注文は31%オフというように初回から6回目までの配達で、割引料金が適用になる特典を与えている。

Blue Apron
Hello Fresh

《Hello Freshの新規割引特典》

初回の大幅割引は、ミールキットを試してみたい顧客にとっては魅力的な特典だが、データ分析会社のブルームバーク・セカンドメジャーが両社の決算資料を分析したところでは、新規登録から1年後の顧客維持率は Blue Apronが11%、Hello Freshが15%と算定されている。ミールキットサービスの顧客特性は、初回(1ヶ月目)で割引特典を利用した新規客が2ヶ月目で解約する割合が40%近くあり、6ヶ月目の顧客維持率は20%前後にまで減少している。

Competition heats up among meal kit companies

ミールキット業界のマーケティング費用は、売上高の約15%を投じているが、業界全体で新規客の獲得を目的とした割引キャンペーンがエスカレートして、その競争に巻き込まれると、特典無しでは固定客を維持することが難しくなってしまうのが、個人客をターゲットとしたサブスクビジネスの特徴といえる。

市場調査のGrand View Researchによると、世界のミールキット市場は20~30代の若いファミリー層に支持されて、2021年の時点で152億ドルの売上規模があり、2030年までは年平均17%のペースで成長していくことが予測されている。

2011年にドイツで創業、現在は世界16ヶ国でサービスを展開する Hello Freshの会員数は、2019年の時点で418万人だったが、コロナ禍では家庭で料理を楽しむニーズが拡大したことで400万人の新規入会があり、2022年3月末の会員数は世界850万人を超した。今後は、コロナの収束後も固定会員を維持していく策を講じることが、新たな課題として浮上している。投資家は有料会員の減少を予測して、2021年11月に95ユーロでピークを打った株価は、2022年4月には42ユーロまで下がっている。

《Hello Freshの顧客属性》

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