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コストコ返品ポリシーの採算と返品商品の清算ビジネス

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JNEWS会員配信日 2021/7/17

 小売企業では、返品ポリシーを寛大にすることで注文件数が伸びる効果と、返品率の上昇によって生じる損失とのバランスをみて、返品ポリシーの調整を行っている。緩すぎる返品ポリシーは「売上高-返品損失」による利益を下げてしまうが、返品ポリシーを厳しくしすぎると、他店に顧客が逃げてしまい、売上が伸びていかない。商品の単価と粗利益率によっても、適正な返品率のレンジが存在している。

会員制の倉庫スーパー「Costco(コストコ)」では、会員顧客に対して有効期限を定めない返品の受け入れを行っているが、2016年以降はパソコン、テレビ、カメラ、タブレット端末、白物家電などは、購入から90日間以内に返品期間が限定されるようになった。さらに、スーパーボウルやオリンピックなど大イベントの前に大型テレビを購入して、イベントが終了すると返品するような行為を繰り返す顧客は「返品ポリシーの乱用」として、会員資格の取り消しを行っている。

一方で、衣類については、コストコの店内に試着室を設置するコストを省くため、購入後にサイズが違った服の返品を積極的に受け入れている。ただし、何度も汚れた服を返品する顧客については、会員資格が取り消されることもある。

要するに、コストコの寛大な返品ポリシーは、善良な消費者を対象に設定されているもので、年間トータルの買い物額よりも、返品損失額のほうが大きな不良顧客は排除される仕組みになっている。

 コストコで返品された商品は、ワケアリ商品専門の清算業者を介して、リサイクルショップや個人事業の再販業者に安値で売却されている。米国ではアマゾン、ウォルマート、コストコなどの倉庫に隣接するエリアを拠点として返品商品を引き取り、業者専門のオークション方式で売却する清算業者が多数存在している。

返品清算オークションの仕組みについては、2019.8.19号でも解説したが、小売業の返品総額が増加していることに伴い、返品商品の清算市場も急成長している。
清算業者は、返品商品をトラックコンテナ単位で引き取った後、商品カテゴリー別に仕分けや検品をして、幾つかのグレードに分けてパレット単位のオークションを実施している。

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