リモート営業+電子契約に移行する生命保険業界
日本の生命保険は、世帯加入率が9割を超しており、年間の保険料収入は33兆円という巨大な市場規模がある。その中、ネットで生命保険にダイレクト加入する人は、2018年の時点で3.3%と低く、大半は生命保険会社の営業社員や保険代理店を介して加入している。そのため、生命保険の販路がすぐに「リアル→ネット直販」へと逆転するわけではなく、今後は対面と非対面が融合した販売手法が主流になるとみられている。
「保険市場」のブランド名で、保険代理店として全国に706店舗を展開するアドバンスクリエイト(8798)では、2020年からオンライン面談型のサービスを強化しており、保険相談に特化したビデオ通話システム「Dynamic OMO」を独自開発している。
このシステムは、顧客がスマートフォンから手軽に保険相談できるようにすることを目的に開発されており、専用アプリのダウンロードは不要で、ブラウザー上でビデオ通話をしながら保険資料の共有をすることや、商談内容を自動録画できる機能もある。
さらに、2020年1月からはチューリッヒ生命が開発した「リモートペーパーレスシステム」も導入することで、書類の郵送せずに、スマートフォン上で保険契約を完結できるようにしている。海外では、オンライン上の保険契約が進んでいるが、従来の「申込書を郵送してサインしてもらう」方法と比べると、電子契約は、商談から契約完結までの成功率を高める効果がある。
アドバンスクリエイトが全国展開する店舗は、複数の保険会社の商品を扱う「乗合代理店」の業態だが、ITツールを効果的に活用することで、コロナ禍では商談件数の4~5割がオンライン面談となり、生命保険を中心に約3万件の相談に対応している。同社は各世帯の保険証券を一括管理できる「folder」というアプリも独自開発しており、こちらのユーザーが、保険契約の更新や見直しを相談できる集客導線も築いている。
■保険市場(アドバンスクリエイト)
これからの保険代理店は、リアルとオンラインを組み合わせた対面営業、書面と印鑑を使わない電子契約により、担当者が直接訪問できないエリアの顧客も獲得していくことが、生き残りの鍵となってくる。代理店に対する保険会社の手数料体系は、金融庁からの指導により、インセンティブ報酬で新規の保険契約高を増やすだけではなく、保険の継続率に基づいた「サービスの品質評価」によっても手数料率が変動するように改定されてきている。
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