米フィットネス業界では、スポーツクラブと家庭用のフィットネス機器とを接続して、バーチャルスポーツジムを展開する動きが加速。ダイエットや健康管理には関心があるが、忙しくて毎日ジムに通えない会員層を取り込んでいる。
自宅でトレーニングできるバーチャルスポーツジムの新業態

JNEWS
JNEWS会員配信日 2018/5/22

 デジタル技術とスポーツとの融合が最も早く進みそうなのが、ダイエットや健康管理を目的とした、トレーニングジムやフィットネスクラブの市場である。もともと、運動量の数値データに基づいたトレーニングのメニューが組まれているため、デジタル技術の導入には前向きな業界といえる。

2015年に米マサチューセッツ州で創業した「VirZOOM」は、VR技術を導入したバイク・エクササイズのキットを開発しているスタートアップ企業で、2018年には複数のベンチャーキャピタルから550万ドルの資金調達にも成功している。

同社の製品「VirZoom Bike」は、ペダルの動きを感知するセンサーやゲーム用のシューティングボタンが組み込まれたトレーニング用の固定式バイク本体と、VRヘッドアップディスプレイ、ゲームのソフトウエアによって構成されている。ユーザーはトレーニングをしながら、ディスプレイ上でバーチャルなサイクリングレースや、対戦型ゲームなどをプレイすることができる。黙々と行うトレーニングと比較して、1回あたりの平均トレーニング時間と、1週間のトレーニング回数が伸びることがデータから明らかになっている。

VirZoomのビジネスは、VRゲーム機能が組み込まれたトレーニング用キットを家庭向けに販売することと、フィットクラブに導入されているマシンにも、このゲーム機能をインストールできるモジュールを提供することで、トレーニング用VRゲームのプラットフォーム企業になることである。

もう一つの事例として、2012年に米ニューヨークで創業した「Peloton」もバーチャルトレーニング用の固定式バイクを開発している会社だ。こちらは、ジムには通わずにトレーニングしたい個人ユーザーをターゲットにしているが、自宅に設置できるトレーニング用バイクには、大型のディスプレイが装着されており、オンラインでレッスンクラスに参加できるようになっている。最大14人までのメンバーが同じクラスに参加して、インストラクターのリードによって適切なトレーニングが行われる。

オンラインレッスンのスケジュールは、毎日30分から1時間の間隔で頻繁に実施されているため、会員ユーザーは自分の空き時間に予約エントリーして、自宅からのトレーニングで汗を流すことができる。Pelotonの料金設定は、バイク本体の価格が1,995ドル(約22万円)+レッスンクラスに参加するための月額会費が39ドルとなっている。バイクを一括購入する資金が無い場合には、バイク本体と月額会費をセットにして、毎月97ドル払いのコース(39ヶ月契約)も用意されている。

Pelotonのビジネスは、2017年に有料会員数が10万人を超して、年間収入も前年比で3倍に伸びている。会員の大半は自転車の愛好者で、在宅時のトレーニングに活用されている。

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