米国では学生ロッカーの賃貸管理ビジネスが伸びている。大学はロッカーの設置場所を提供するだけで、学生は業者との間でロッカーの賃貸契約を有料で交わす方式。学生にロッカー賃借権を与えることで、自主的な管理をさせることができる。
大学ロッカーの賃貸管理ビジネスと職域への応用

JNEWS会員配信日 2017/11/22

 現代の消費者はネットとリアル、両方のサービスを併用していることを踏まえると、宅配ロッカーを起点としたビジネスを開発することも有意義である。日本の環境省は、不在率が高い学生向け荷物の再配達を減らす目的で、全国の大学に対して宅配ロッカーの設置を要請する方針を出しているが、これを機に、学校や職場でのロッカーの活用方法が変わる可能性がある。

参考になるのが、欧米の大学や高校におけるロッカーの扱い方である。従来、学内のロッカーは、学生に無償で提供していたが、ロッカーの破損や私物が放置されたままになっている等のトラブルも多かった。そこで、学生と有償で正式な賃貸契約を結び、ロッカーを自由に使うことを認める一方で、ロッカーの管理責任も負わせる方式へとシフトしてきている。

英国の「Independent Locker Solutions(ILS)」は、大学や高校向けにロッカーを納入している業者だが、ロッカーの利用契約は、学生本人か保護者と直接結ぶ方式にすることで、学校側ではロッカーの管理やトラブルには一切関与しなくて済む仕組みを構築している。ILSと提携している学校の在校生は、ILS社のサイトにアクセスして、ロッカーの年間利用契約を行い、好きなロッカーの位置を選ぶこともできる。

ILS社は、ロッカーのメーカーではなく、管理会社の立場になる。ロッカーの性能は日々進化しているため、第三者にも解錠キーを設定できるスマートロック式のロッカーを利用すれば、ネットで注文した商品を校内にある自分専用ロッカーに届けてもらうことも可能になる。

この仕組みは、企業のオフィスにも応用することが可能で、忙しいビジネスパーソンは、会社の自分専用ロッカーに、宅配便や近隣店舗の配達をしてもらえるとと、仕事帰りに買い物で店に寄る手間を省くことができる。

既にロッカーを有効活用しているビジネスとしては、洗濯物の受け渡し専用ロッカーを導入しているクリーニング業界や、メンバー専用のロッカーを提供することで帰属(所属)意識を高めているスポーツジムの例などがあるが、ビジネスパーソンが毎日利用する、社内ロッカーを起点として生み出せる職域販売のすそ野は広い。

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