フラッシュモブが生み出す新たな流行と社会貢献活動の仕組み

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民衆が結集することで新たなムーブメントを起こそうとする動きは、ファッション業界にも出始めていて、スペインやブラジルでは、ファッションモブというイベントが公園やストリートで開催され、新たな流行の発信源になっている。

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ファッションモブが生み出す新たな流行と
社会貢献活動の仕組み

written in 2012/6/22

　フラッシュモブの語源は、特定のテーマに呼応する人達が、瞬く間に集まること「flash＋mob（集団や群衆の意味）」からきているが、現代では、多様な価値観による集団が形成されている。マイノリティ（少数派）の嗜好やライフスタイルでも、ネットで呼び掛ければ、同じ価値観の人達が必ずどこかにはいるもので、彼らが繋がり始めることで、次第に大きな影響力を持つようになる。

これは、「ニッチビジネス」や「ロングテール市場」とも関連した、消費者グループを形成していくことになりそうだ。特に、ファッションの世界では、各地で開催されるフラッシュモブが、新たな流行の発信源として注目されている。

特定のファッションを支持する人達の中で行われるストリート上の集会は「ファッションモブ（fashion mob)」として、2012年に入ってから各地で開催されるようになってきた。その発祥といえるのが、2011年12月にブラジル・セントロのパトリアカ広場で行われたイベントで、広場のストリートをファッションショーのランウェイに見立てて、モデルがウォーキングしながら最新のファッションを披露した。

プロモデルの他にも、イベントの主催者が指定したテーマに従い、ファンションに関心のある一般の人達が、独自のコーディネートをした服装で参加。それを審査員が評価しながら優秀者を決定して、スポンサー（アパレルメーカー）からの賞品が与えられるコンテストも行われている。

いま世界のファッション業界では、一部の富裕層に対象が絞られた高級ブランドから、誰でも安価にオシャレを楽しめる「ファストファッション」へのシフトが進んでいるが、その中では「ファッショニスタ」と呼ばれる素人モデルが重要な役割を担っている。

ファストファッションのメーカーが安価な新商品を売り出してヒットさせるには、高級ブランドのような広告宣伝やファッションショーに多額の資金を投じていたのでは採算が合わない。そこで、センスの良い一般女性をモデル役に起用して、ブログやＳＮＳで新商品を紹介してもらう。さらにネットだけでなく、街中の一般市民も巻き込んだ「ファッションモブ」を、ストリート上のショーとして展開しはじめている。

こうした、新しい流行の創出ルートは、高級ブランドが拠点としているパリやミラノではなく、スペインやブラジルなど、ファッションに対する消費者の感度は高いが、安い商品を求めている国から広がり始めているのが特徴だ。

《ファストファッションによる新たな流行経路》

　

（ビジネスモデル事例集一覧へ）

　●世界に広がるスマートモブ～フラッシュモブの動き
　●スマートモブの特徴～開催の流れについて
　●ファッションモブから生まれる流行スタイル
　●ファストファッションが展開する新たな流行の広め方
　●キャッシュモブによる地域経済の活性化
　●地域マネーを循環させるキャッシュモブの目的
　●スーパーコンピューターを超えはじめた群衆の力
　●個人の能力が労働者の職を奪うことになるシナリオ
　●みんなの共同作業で解明する市民科学とクラウド社会の輪郭
　●ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
　●自分の専門知識を収益化するオンラン副業プラットフォーム

JNEWS LETTER 2012.6.22
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　●ZARAの急成長が示す新興ファッションビジネスの幕開け
　●欧州女性が挑戦するファッショニスタの道と新ブログ文化
　●クラウドビジネスが変革するネットユーザーの意識と業界地図
　●先進国から大量の失業者が生まれる世界不況のメカニズム
　●悲惨指数からみた不満への衝動と世界で深刻化する失業問題

これは正式会員向けJNEWS LETTER 2012年6月22日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料（個人：月額500円、法人：月額１名300円）による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために２週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

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