ビジネスモデル事例集
  
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  iPhoneの爆発的なヒットにより、スマートフォン向けアプリ開発の新ビジネスが成り立つようになった。iPhoneアプリは単価が安いため、企業が開発を手掛けるよりも、個人のプログラマーが本業の休日を活用して副業として行うほうが適している。そのアプリ開発方法と売り方について解説。
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iPhoneアプリ市場の業界動向と
収益化するビジネスモデル
written in 2010/5/12

 スマートフォンのアプリビジネスは参入障壁が低い反面、決められた仕様やプラットフォームに従うのが流儀だ。iPhone(iPod touch/iPad)向けのアプリは、すべて「App Store」に出品の登録をして、アップルの審査をクリアーした後でないと配布することができないルールになっている。

アプリの制作環境は、専用の開発キット「iPhone SDK」が無料でダウンロードできるため、これをパソコン(Macのみに対応)にインストールすればよい。この時点では料金はかからないため、Macのプログラム制作ができる人なら、試してみるとよいだろう。

そしてアプリが完成して“配布したい”という段階になれば、開発者は有料会員制の「iPhone Developer Program」に加入して“認定デベロッパー”になる必要があるが、年会費は1万円と安価な設定のため iPhoneアプリの開発に資金面の障壁は実質的に無く、それが App Storeの立ち上げから僅か2年で10万本以上のアプリ資産を築いた原動力になっている。

iOS Developer Program(日本語)
  http://developer.apple.com/jp/programs/ios/

サイト運営者や企業が、自サイト向けのアプリを制作して配布したいと思えば、これら認定デベロッパーに開発を依頼することになるが、その費用は実装する機能にもよるが、スマートフォン用のアプリは小さな案件が多いため、数十万円〜100万円前後(無料アプリの場合)というのが相場のようである。

そのため、大手のシステム開発会社は、iPhoneアプリの開発に取り組んでも大きな収益を見込めないという判断で、いまのところ開発を請け負えるのは、個人やスモール企業が主体となっている。

 有料アプリを開発する場合では、App Store の販売動向からすると、作品がヒットしたと言えるのはダウンロード数が1万件を超えた水準のようだ。iPhoneアプリの平均単価は100円〜300円のため、比較的簡単なアプリを一人で1ヶ月(1人月)かけて制作、100円の設定で1万本売れると100万円の売上。その3割がアップルの手数料で、作者が受け取る収入は7割の70万円になる。

しかし有料アプリが必ずヒットする保証は無いため、個人のプログラマーが副業として行うには面白くても、それを本業として脱サラをしたり、企業が人件費を負担して手掛ける仕事までには至らないと考えている開発者が多い様子。

《iPhone有料アプリの収益構造》

  

App Storeは、アプリ制作者が自分の作品を世界で数千万人のユーザーに対して販売できるマーケットのため、大ヒットすれば一度に数千万円の収入が稼げる一方で、ヒットチャート的なランキングで売れ行きが大きく影響するため、工数をかけて単価の高いアプリを開発するよりも、流行歌手が短期のサイクルで新曲を発売するように、次々と新作を投入していくことのほうがヒットは生みだしやすい。

ただし、それはユーザーが有意義なiPhoneの活用方法を模索して、ユニークなアプリを物色している間のことで、近い将来には一つのアプリをじっくり作り込んで収益を得るスタイルが主流になっていくだろう。その時には、「数百円の安価なアプリを売ること」がビジネスの柱になるわけではない。
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■この記事の核となる項目
 ●スマートフォン・アプリが変えるネット集客の動線
 ●iPhoneアプリによるeコマースサイトの集客ノウハウ
 ●米スマートフォンユーザーのアプリダウンロード状況
 ●個人プログラマーが先導するiPhoneアプリの開発市場
 ●1万本以上で利益が生じる有料アプリの損益計算
 ●レベニューシェア方式によるアプリ開発ビジネス
 ●アプリ内課金によるビジネスモデルの仕組み
 ●電子雑誌アプリによる購読料の課金モデル
 ●iPadによる電子出版ビジネスの流通ルートと業界構造
 ●書籍のイメージを覆す“未来の本”としての売り方と収益構造
 ●アマゾンから電子新聞が届いてリアル書店が消滅する日の到来

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