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1980~90年代に流行したヴィンテージ古着の発掘ビジネス

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JNEWS会員配信日 2022/8/2

古着市場の中でも、昔の流行に回帰できる古い服はヴィンテージ衣料として付加価値を高めている。「ヴィンテージ」の扱いは、以前は50年~100年前に作られた服だったが、最近は20年~30年前(1980~1990年代)までが含まれるようになっている。この時代の服は比較的入手しやすいため、米国ではヴィンテージ古着の販売を手掛ける起業者が増えている。

ヴィンテージ古着の入手方法は、一般的に Rag House(ラグハウス)と呼ばれる古着問屋のリサイクル倉庫から、希望する年代、サイズ、デザインの服を探し出していく方式が主流で、自分でピッキングをすれば古着の重量1ポンド(454g)あたり1~2ドル程度で入手することが可能だ。ただし卸取引となるため、1回あたりの仕入れに対して最低取引額が設定されている。

米ロサンゼルスにある「LA Vintage Wholesale」は、1994年に創業した古着卸業者で、約42,000平方フィート(1180坪)ある倉庫にはリサイクル回収された服と靴が集められている。これらの回収品は、付加価値の高いブランド品やヴィンテージ品が選別された後、それ以外は新興国に輸出されている。

《古着の回収ルート》

LA Vintage Wholesaleでは、古着ショップ経営者(実店舗とオンライン)の買い付けを受け入れており、1回あたり750ドル~の最低取引額で、倉庫内の古着を自由にピッキングすることができる。米国外からの買い付けにも対応しているが、その場合は、入国前にビジネスライセンスと再販許可証を取得する必要がある。

また、倉庫への来場ができない業者に対しては、カテゴリー別に仕分けされた古着がセットになったパッケージが販売されている。たとえば、コットンフランネルシャツ・ミックスのパッケージには、1970~1990年代のネルシャツ(メンズ)が、サイズと柄がそれぞれ異なるものが10枚同梱されており、60ドルの価格で販売されている。1枚あたり6ドルの単価になるが、古着業者はこれをヴィンテージネルシャツとして25~60ドルで販売している。

LA Vintage Wholesale

最近では古着ショップの運営形態も、実店舗やeコマースサイトすらも持たずに、Instagram上のショッピング機能のみで行うことも可能となっており、学生が起業するケースも増えている。日本でも、米国製ヴィンテージ古着の人気は高まっており、1970~1990年代のTシャツに1万円以上の値が付くこともある。それらの業者は、どのブランドやデザイン、どの年代の服にいくらの価値があるのかを詳しくサーチした上で、多方面の仕入れ先を開拓して買い付けを行っている。

ヴィンテージのTシャツについては、コレクションの対象となっており、昔のロックコンサートで限定発売されたものや、映画の販促品として配布されたものには高値が付いている。このようにプレミア価値のある古着を、リサイクル倉庫の中から探し出すことは「トレジャーハンティング(お宝探し)」として、趣味と実益を兼ねたビジネスになっている。

■LA Vintage Wholesale倉庫内の紹介映像

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