NFTによる高級コレクション資産の所有権管理ビジネス
世界では希少なウイスキー、ワイン、クラシックカー、ハンドバッグ、時計などの相場が上昇している。英国の不動産コンサルタント会社、Knight Frank(ナイトフランク)が公表している「Knight Frank Luxury Investment Index」によると、希少性ある高級コレクションは、過去10年間でみた金融商品の投資パフォーマンスを上回っている。
近年の人気が急上昇しているシングルモルトウイスキーは、生産量が少ない名門蒸留所の商品ほど価値が高くなっている。日本のウイスキーは世界からも評価が高く、東亜酒造が埼玉県羽生市で所有していた羽生蒸溜所(2000年に閉鎖)や、メルシャンが所有していた軽井沢蒸溜所(2012年に閉鎖)の旧製品は、世界でもコレクターが多く、1970~1990代に醸造、それから10~30年の熟成期間を経て限定発売されたウイスキーはボトル1本あたりが100~300万円で取引されている。
■Japanese 100 Index(日本製ウイスキーの値上がり率)
しかし、ウイスキーの投資熱が高まることで、偽物が出回ることも新たな問題として浮上しており、コレクションの価値を下げる懸念材料になっている。その対策として開発されているのが、希少ウイスキーの所有権をNFT(非代替性トークン)として管理する方法である。
「BlockBar」は、高級ワインとウイスキーの所有権を管理できるNFTを発行するプラットフォームで、蒸溜所がコレクターに対してNFTを販売する形での新たな投資スタイルを考案している。
具体例として、スコットランドで1839年に創業して、厳選された材料と昔からの製法で高級ウイスキーを生産するダルモア蒸留所では、1979年、1980年、1995年、2000年に醸造した4本のウイスキーコレクション「Dalmore Decades CollectionNo.4(25セット限定)」を、NFTとして137,700ドル(約1750万円)で販売した。
実際のボトルは、NFTの購入者には発送されずに蒸留所で保管されるが、所有権はブロックチェーン上に登記されている。NFTは、BlockBarのプラットフォーム上で二次売買ができるため、コレクションの価値が上昇すれば、NFT所有者は売却して転売益を得ることができる。
また、実物のウイスキーを自宅で保管したいコレクターに対しては、蒸留所からボトルを発送することも可能だが、その時点でNFTは消滅する仕組みだ。つまり、NFTとして所有権が管理されている段階では、偽物の権利が売買されることは無く、投資商品としての信頼性を高めることができる。
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