リモートワークのペーパレスを支援するスマート文書管理
コロナ禍では、多くの企業がリモートワークを導入したが、その中では紙書類の共有ができないことが問題点として浮き彫りになっている。たとえば、取引先から送付される請求書は「紙」で郵送されることが多く、それを確認するためにオフィスに行かなければいけない非効率さが指摘されている。そこで、リモートワークの普及を転機として、業務のペーパーレス化は一気に進むことになりそうだ。
2014年に米カリフォルニア州で創業した「Ripcord」は、紙文書のペーパーレス化ロボットを開発する会社で、オフィスの倉庫に眠っている大量文書を自動スキャンして、AIアルゴリズムによる高精度のOCR文字変換後にPDF化した文書データを、カテゴリー別にクラウドサーバーに保管して、権限を与えられた社員は目的のファイルを検索、アクセスできる環境を提供している。
紙文書をスキャンしてペーパーレス化を代行する業者は他にもあるが、それらは通常150~300dpiの白黒データとして保存するのに対して、同社のスキャンロボットは600dpiの高精度フルカラーでスキャンすることが可能で、文書1枚あたりを電子化する時間も10分の1程度と短い。Ripcord社がスキャンロボットを配置しているセンターでは、1日あたり5000万レコードの電子文書化が可能な性能がある。
なお、電子化された後の紙文書は、情報漏洩の心配が無い安全なルートで廃棄、リサイクルされる。
ペーパーレス化の料金体系は、紙文書の運搬、スキャン、OCR化、インデックス作成、クラウドでのデータ保管まで一連の作業が包括的に行われる契約で、文書1ページあたり0.004ドル~(約0.4円)の設定になっている。そのためクライアント企業は、設備導入に初期投資をすることなく、電子保管する文書データのページ数に従量制の月額費用だけで、リモートワークに対応したペーパーレス化を実現することができる。
■ペーパーレス作業の紹介映像
ペーパーレス化の導入は、納品書、請求書、領収書などの帳票を電子化することで、月末の経理処理までをロボットで自動化すること(ロボットプロセスオートメーション)も可能になる。コカ・コーラ社は、米国内で65を超す系列ボトラー会社に対してコカ・コーラの原液を供給しているが、納品書や請求書の管理はすべて紙文書で行われていた。これをRipcordのシステムにより、ペーパーレス化することで、会計処理にかかっていた経理コストを年間100万ドル以上節約することに成功している。
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