デリバリーワーカー向け電動自転車の開発ビジネス
個人請負のデリバリースタッフは、車両持ち込みにより仕事をすることになるため、合法的な軽貨物運送として認められている、自転車、バイク(125cc)、軽貨物車の中で、どんな車両を使うのかによって、作業効率が変わってくる。どの車両がベストなのかは、担当する地域や、配達距離によっても異なるが、都市部のフードデリバリーでは、通常の自転車よりも体力消耗が少ないこと、交通渋滞に巻き込まれにくく、バイクよりも交通法規が緩い、電動アシスト付き自転車の人気が高い。
ただし、通常の電動アシスト自転車は、サイクリングや通勤用途に設計されているため、荷物を積みやすくしたり、1日仕事に耐えられるバッテリーの大容量化をした「デリバリー専用車両」の開発、カスタマイズが、自転車メーカーや自転車販売店にとっての、ビジネスチャンスになっている。
「Ebike Netherlands」は、1860年代からオランダ国内にある老舗の自動車メーカーが前身で、20年前から電動自転車の開発と販売に取り組んできた会社だ。オランダは、もともと自転車大国で、政府が自転車シェアリングサービスの普及に力を入れていることから、電動自転車の中小メーカーが育っている。
その中でも、近年ではラストマイル配送用の電動自転車に対するニーズが高まっており、Ebike Netherlands社では、「Ebikes4Delivery」というデリバリー専用モデルを開発している。配達用のボックスを車体の前後に取り付けやすいように設計されており、貨物カートを牽引することも想定した大容量のモーター、路上の釘やガラスを拾ってもパンクしにくい、耐久性の高いタイヤが装着されている。
■Ebikes4Delivery
■車両の紹介映像
このデリバリー専用車は、「Domino's」「Pizza Hut」「Subway」など大手ファーストフードチェーンのデリバリーサービスに採用されており、欧州を中心に1万台以上が輸出されている。車両の価格は、モーターの性能によって日本円で約20万円と30万円のモデルがあり、購入することも可能だが、定期的なメンテナンスや修理対応も含めた「リースパッケージ(24ヶ月または48ヶ月)」による提供が主流になっている。
デリバリー用の電動自転車は、配達効率を追求していくと高性能化(高価格化)していく傾向があり、現金一括購入するよりも、リース契約にして毎月のリース料を経費計上していくほうがデリバリービジネスを軌道に乗せやすい。海外と日本では、法律で定められた電動自転車の規格が異なるため、日本独自のデリバリー専用車を開発する商機がある。
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