在宅介護に適した遠隔デバイスとして「テレビ」が注目されている。スマートフォンやタブレットよりも操作がしやすく、高齢者のテレビ視聴時間は他の世代よりも長いことから、介護用途でも活用できる可能性が高い。(JNEWSについてトップページ
テレビを主要ツールとした在宅介護サービスの開発

JNEWS
JNEWS会員配信日 2021/3/30

 高齢者の遠隔コミュニケーションには、PC、スマートフォン、タブレットなどの導入が進んでいるものの、最も使い勝手の良いデバイスとして、海外では「テレビ」の活用が見直されている。全世代の中でも、高齢者はテレビの視聴時間が最も長いため、テレビの中に在宅介護の機能を組み込もうとする視点である。

北欧の新興企業、Kraydel社が開発した「Konnect」は、市販のテレビでビデオ通話ができるようにしたカメラ付きのデバイスで、簡単なリモコン操作をするだけで、離れて暮らす家族や介護のスタッフとのコミュニケーションができる。

さらに、Konnectには各種の介護アプリを組み込むことができ、急病時のケアコール、服薬や運動時間のアラート、検温データの管理、訪問介護の予約機能などが用意されている。

Konnectの利用体系は、デバイス本体と月々の利用料金をセットにしたサブスクリプション型となっており、携帯電話よりも安い月額料金が設定されている。一人暮らしの高齢者は、自宅で過ごす時間が長いことから、操作が難しいスマートフォンを持たせるよりも、テレビを活用したほうが、日々の体調管理などもしやすい。そうした訪問介護の意見を反映して、このデバイスは開発されている。

Konnect
■在宅介護の紹介映像

また「Touchtown」も、テレビによる高齢者介護をサポートしている会社だが、こちらは米国の老人ホームを中心として、1300ヶ所以上の高齢者施設に対して、テレビからアクセスできるクラウドベースの各種アプリを提供している。

各施設では、高齢者が入居する個室に設置されたテレビを通して、食事メニューの掲載、施設内イベントの案内をしたり、高齢者から人気の高い動画や映画コンテンツの配信をすること、ライブ配信機能によって、離れて暮らす家族や、入居者同士が、個室に居ながら交流できるようになる。コロナ禍では、高齢者施設の感染対策が強化されていることから、非対面でコミュニケーションができるツールとして、テレビの活用が見直されている。

Touchtownは、高齢者施設からニーズの高い、コミュニケーションアプリやビデオコンテンツなどを集約して、希望の機能を自由に組み合わせて利用できるようにした、アグリゲーション型のビジネスモデルを構築している。同社は、各個室にあるテレビを介して、全米で約25万人の高齢者がアクセスするクラウドネットワークを築いていることから、その企業価値が高く評価されて、2019年3月には、デジタルデバイスによるホスピタリティサービスを提供するUniguest社が買収している。(買収価格は非公開)

近年では、高齢者施設の中でも、介護付きマンションのように、プライバシーが守られた自立型の高齢者住宅が人気となっている。そうした施設では、非対面で各種のケアサービスを提供するスタイルが基本になることから、Touchtown社のようなアグリゲーターへのニーズが高まっている。

Touchtown

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・テレビをツールとした在宅介護のスタイル
・高齢者施設向けアグリゲーターの仕組み
・単身化で起きる社会的孤立の正体
・社会的孤立に陥る「孤独」の種類と特徴
・SNS利用頻度と孤独スコアの関係について
・高齢者向けハウスシェアリング事業
・定年後のダブルインカムを実現するシニア起業
・高齢者を固定客にする訪問理美容サービスの収益構造

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