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ゴーストキッチンを形成する業界構造と不動産投資

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JNEWS会員配信日 2020/12/17

 ゴーストキッチンは、大都市の不動産相場が高騰する中、安価に開業できる飲食業の新業態として2015年頃から米国で登場したが、コロナ禍ではフードデリバリーへの需要が高まったため、世界的に市場が拡大している。英国の市場調査会社、Euromonitorでは、ゴーストキッチンの関連市場が、2030年までに世界で1兆ドルにまで成長すると予測している。

米国には、既に1500以上のゴーストキッチンが存在しているが、その業界構造はゴースト向けの厨房施設を開発する投資家、ゴーストで起業する料理人、それとフードデリバリー業者によって成り立っている。

Uber Eats、Grubhub、DoorDashなどフードデリバリーのネットワークが全国の主要都市に広がっている米国は、ゴーストキッチンが成長しやすい環境にあり、パンデミック後は、米国消費者の34%が、以下4社いずれかのフードデリバリーサービスを利用している。

フードデリバリー業者は、配達エリアによってそれぞれシェア率が異なるのが特徴だが、強者が弱者を買収する形で、全米シェアを拡大してきている。2020年12月にはUberが、米国4位のPostmatesを26億5000万ドル(約27.8億円)で買収している。また、米国3位のGrubhubは、欧州が拠点のデリバリー企業「Just EatTakeaway」が2020年6月に73億ドルで買収し、世界規模のデリバリーネットワークが形成されるようになっている。

《米国フードデリバリーの業界シェア率》

ゴーストキッチンは、複数のブランドが集まるほど、設備の稼働と配達の効率を高められるため、投資会社によって専門施設が整備され、そこに料理人(起業者)を誘致する仕組みになっている。

「CloudKitchens」は、元Uberの共同創業者、トラビス・カラニック氏が設立したゴーストキッチンの開発会社で、サウジアラビアの公共投資基金から4億ドルの出資を受けている。CloudKitchensは、米国、英国、インド、中国などで人口密度が高く、フードデリバリーに適した商圏エリアを探し、安価な不動産物件を購入して、ゴーストキッチン施設に改装または建設している。

CloudKitchens
■CloudKitchensの紹介映像

ゴーストキッチンの施設に適しているのは、厨房設備が設置しやすい水回り環境が整っており、デリバリーの車両が待機しやすい駐車場スペースがある物件で、廃業したレストラン、食品加工の工場、スーパーマーケットなどが物色されている。CloudKitchensは、1億3000万ドルを投じて全米で40件以上の物件を購入することで、営業エリアを拡大している。

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