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海外ECサイトで導入される分割決済システム(BNPL)

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JNEWS会員配信日 2020/7/7

 従来のオンラインショッピングは、商品の購入時に代金決済を行う。クレジットカード決済では分割払を選ぶこともできるが、実質年率が12~15%の高い金利を購入者は負担している。月々のカード支払額が一定になるリボルビング払い(リボ払い)もあるが、これにも年率15%相当の高い手数料(利息)がかかっている。クレジットカードの利用統計をみると、カード利用者の10~25%が分割払いやリボ払いを選択しており、それがカード会社の収益源になっている。

消費者にとっては、分割払いで商品を購入できる選択肢は欲しいが、高い利息を払うのは得策ではない。そこで海外では、クレジットカード業界の隙間を狙ったFintech企業が「Buy Now Pay Later(BNPL)」という仕組みを開発して、消費者と小売業者の双方にとってリスクの低い、分割払いや後払いの手段を与えている。

スウェーデンで2005年に創業した「Klarna」は、BNPLを発案した会社と言われており、現在は、欧州や米国のECサイトを含めた約9万件の小売業者に対して、独自の決済機能を提供している。Klarnaと提携した小売店やショッピングサイトでは、4回の無利子分割払いと、購入から30日間の支払いが猶予される後払い方式の決済手段が導入できる。

分割払いは、購入者が所有するクレジットカードまたはデビットカードを登録して商品の代金決済をすると、2週間毎に4分割された代金がカード会社から引き落とされる。そのため、給料日までの口座残高に余裕が無い場合でも、欲しい商品を購入することが可能だ。

これは、金利0%のショッピングローン契約となっており、4回の決済が無事に完了すれば、分割手数料(金利)はかからず、決済エラー(未返済)となった場合のみ延滞金利が発生する契約になっている。

《Klarnaによる分割払い例》
○ECサイトで400ドルの商品を購入(7月1日)

○商品出荷日(7月2日)に初回100ドルのカード決済

○7月16日に2回目100ドルのカード決済

○7月30日に3回目100ドルのカード決済

○8月13日に3回目100ドルのカード決済

また、「Pay later in 30 days」は、商品の発送日から30日後に代金のデジタル請求書が送付される後払い決済で、到着した商品を試用してから購入を決めたい顧客向けに提供されている。30日以内であれば、返品しても代金が発生することはなく、30日後の請求に対して延滞が生じた場合にのみ、延滞利息が発生する。

《Klarnaによる後払い決済例》
○ECサイトで商品を購入

○商品の発送

○商品に不満があれば30日以内に返品可
↓(30日間は料金が発生しない)
○商品発送から30日後に請求書が発行される

Klarna

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