ポルシェオーナーが実行するセカンドカー投資の仕組み
個人間でマイカーの貸し借りをするカーシェアリングは、日常の移動手段とし利用するには、使い勝手は良くないことが判明してきたが、スポーツカーやキャンピングカーなど、非日常を楽しむセカンドカーのシェアリングサービスとしての活路を見いだしている。
米国でも、嗜好性の高い高級車に対するシェアリングニーズへとシフトしている傾向は同様である。2010年にサンフランシスコ創業した、個人間シェアリングサービスの「RelayRides」も当初は、日常の足として利用しやすいマイカーを数時間単位でシェアできる仲介プラットフォームを目指していたが、2015年には、高級車の長期レンタルを主体とした仲介サービスに軌道修正して、サイト名も「Turo」に変更している。
■Turo
■Turoのプロモーション映像
Turoのサイトでは、ベンツ、BMW、アウディ、ジャガーなどの高級車オーナーが主体となってシェアリング登録をしているが、特に人気が高いのがポルシェで、「Porsche Host Program」という専用プログラムが設けられている。ロサンジェルスとサンフランシスコ地域に住むポルシェオーナーの中から、ユーザービューが5つ星のホストだけを厳選して、新たなポルシェ体験をしたい借り手との仲介をするものである。車両のレンタルは1日単位でも可能だが、2泊3日~1週間程度の旅行で利用されるケースが多い。
Turoの中では、オーナー(貸し手)向けに「Carculator(カーキュレーター)」という機能が提供されており、レンタルする地域、車種と年式を入力すると、蓄積された過去のデータ分析から、1日あたりのレンタル相場、月間の予約日数、月間収入の予想値が表示される。それによると、ポルシェの中でも車両価格と月間収入のバランスでみた収益率が最も高いは「ボクスター」で、2018年式の車両は、購入相場が約57,000ドルに対して、月間1,200ドル前後のレンタル収入を稼ぐことができる。
このようなデータ分析機能を活用すれば、ポルシェ以外でも収益性が高い車種を特定した上で、セカンドカーとして購入、レンタルで収益化する投資手法も確立できる。個人間カーシェアリングで人気が高い車種は、中古車市場でも相場が下がりにくいことから、レンタル収入+車両の売却額が、車両購入時の金額を上回る、プラスのリターンを生み出すことも可能になる。
嗜好性が高い高級車のレンタカー市場は、希望車種のニーズが細分化されるため、業者としては手掛けにくいが、車好きの個人オーナーであれば、趣味と実益を兼ねた副業として楽しめる。実際に、Turoの中ではセカンドカー投資として、愛車の台数を増やすオーナーも増えている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・意外と伸びないカーシェアリングの現状
・未来の自動車所有・専用利用権の形
・カーシェアリングによるセカンドカー投資
・ポルシェオーナーのカーシェアリング収益率
・マイカーオーナーが収益を稼ぐ電子デバイス開発
・賃借しながら所有権を獲得するマイホーム計画
・賃貸から持ち家に移行できる住宅購入システム
・外国人投資家が着目する日本の土地所有権
・新車販売ビジネスの終焉と新サブスクリプション事業
・スマートロックを活用したオーナービジネスの立ち上げ
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2019.9.12
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