中国では動画の生配信をしながら物販をするライブコマースが人気化。2時間の配信で数億円を売る成功例も登場。その原動力となっているのが若者に支持されるインフルエンサーの存在で、中国内ではセレブ女優よりも影響力を持ち始めている(JNEWSについてトップページ
中国ライブコマースの販売手法とインフルエンサーの躍進

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/5/20

 アジア圏で流行しているライブコマースは、もともとライブアプリの爆発的な人気から派生している。中国では「花椒直播(Huajiao Live)」、「映客直播(inke)」、「一直播(yizhibo)」などのライブアプリがあり、芸能人や有名人の他にも、一般ユーザーがスマートフォンから手軽にライブ配信を行っている。
人気者になっているのは10~20代の女子で、そこに多くのファン(フォロアー)が付き、ポイントによる投げ銭やバーチャルギフトを贈ることにより、配信者への収益が発生している。

アジア圏では、若者の中で動画に対する投げ銭文化が定着していることにより、収入を期待するライブ配信者が増えて、サイト全体の視聴回数も増えていくという、相乗効果が生まれている。これらのライブアプリには、リアルタイムで美顔修正ができる機能が搭載されていることも、一般のライブ配信者を増やしている要因である。

花椒直播(Huajiao Live)
映客直播(inke)
一直播(yizhibo)

ライブ配信の盛り上がりに対しては、中国ECサイトも着目しており、独自のライブ配信機能を導入するようになっている。「淘宝直播(タオバオライブ)」は、中国の大手ショッピングモール「淘宝網(タオバオ)」の中にあるライブ配信機能で、人気のライブ配信者にはリアルタイムで100万人の視聴者が集まることもある。その中でも、張大奕(ジャン・ダーイー)という女性は代表的な存在で、500万人のフォロアーを獲得している、中国初のインフルエンサーである。

彼女は、淘宝網の中に自分のアパレルショップを立ち上げており、その商品をライブ配信でも紹介する販売手法をとっている。ライブ配信は、夜8時~10時頃の2時間で2,000万元(約3.2億円)を売り上げることもある。配信中には、彼女自身が新作の商品を着用して、幾つかのパターンを着替えることで、服のコーディネートを視聴者に見せている。チャット機能による、視聴者からのコーディネートの要望にも、すぐに対応できるのもライブ配信の利点である。視聴者からの注文状況は、画面上にリアルタイムで更新されていくため、買い物の臨場感を高めることにも成功している。

また、ライブの企画によっては、アパレル工場の現場を訪れて、製造者に生地の特徴や縫製の方法を質問するなどして、消費者に近いインフルエンサーの立場としてエンゲージメントを高めている。彼女の年収は50億円とも言われており、中国では、世界のセレブ女優を凌ぐ影響力を持ち始めている。

■張大奕(ジャン・ダーイー)の紹介映像(YouTube)

淘宝直播(タオバオライブ)の中では、張大奕のような成功を目指して、多くの販売者がライブ配信を行っている。店主自らが配信を行うケースや、若手の従業員が行うケース、または、既に人気のあるインフルエンサーを雇うケースもある。
撮影場所は、実店舗があれば店舗内、オンライン販売のみの場合は、事務所や倉庫で行われており、スマートフォンをスタンドに立てて生配信するのが一般的である。ローコストな撮影環境でも、配信を定期的に継続することが、視聴者を増やすポイントになっている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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・職業として考えるインフルエンサーの生産性と収益構造
・人工知能で消費者の気持ちを読み取る顧客体験マネジメント
・Z世代からシェアされる「インスタ映え店舗」の開発
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