AI感情分析で進化するコールセンター業務の方向性
感情認識の技術は、電話で顧客対応をするコールセンター業務にも革命を起こそうとしている。これまでにも、コールセンター業務の品質向上を目的とて、通話内容を録音したり、通話後にアンケートを実施したりすることが行われているが、この方法だけではすべての会話内容を管理者がチェックすることは難しい。
米オハイオ州にあるiQventures社は、IBM Watsonの人工知能を導入したコールセンターの管理システムを開発している新興企業で、顧客との通話内容をすべて人工知能がチェックする機能を提供している。
仕組みは、Watsonの音声認識機能とTone Analyzerによるトーン分析機能を組み合わせることにより、録音された通話音声をテキスト情報に変換して、「怒り、恐怖、喜び、悲しみ、嫌悪感」などの感情を認識することができる。そのデータを元に、電話応答の良し悪しをAIがスコア評価したり、過去の通話内容をテキストでデータベース化して、必要に応じて日時や担当者、キーワード別に検索したり、トラブルや苦情の事例別に模範解答をデータベース化することも可能だ。
このシステムは、クラウド上で提供されるため、契約をしている各コールセンター業者は特別な設備投資をすることなく、その日に録音されたすべての通話音声をFTP経由でアップロードするだけで、その内容が自動でスコア判定される。特に重要性が高いスコアの通話内容は、管理者のメールアドレスに送信できる機能もあるため、顧客とのトラブルや不満が深刻化しない早期の段階で、問題解決の行動を起こすことができる。
また、グーグルはスマートスピーカーの「Google Home」にも搭載される音声アシスタントを進化させたコールセンター向けAIシステムの開発を進めている。グーグルのクラウドテクノロジー体験イベント「Google Cloud Next'18」で紹介された「Contact Center AI」は、メーカーのカスタマーサポート、ホテルやレストランの予約受付の電話応答を AIエージェント(ロボット)が行い、顧客の要件を聞き分けて、簡単な内容ならば、そのまま返答したり、詳しいサポートが必要な場合は適切な担当者(人間)に電話を取り次ぐところまでを行うことができる。その時にも、顧客は要件を伝え直す必要はない。
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