米ニューヨークやロサンゼルスでは、賃貸アパートの中にホテルライクな機能やサービスまでを提供する形態が人気化。家賃の中にアメニティサービスを含めた包括的な料金設定がされているのが特徴(JNEWSについて
賃貸物件の価値を高めるアメニティサービスの新市場

JNEWS
JNEWS会員配信日 2018/6/23

 米国の高級アパートメント開発に深く関わっているのが、「Ollie」というスタートアップ企業である。同社は2012年の創業で、賃貸住宅にホテルライクな機能やサービスを提供することを主力の事業にしている。

賃貸住宅の付加価値を高める機能として、設備面では、多機能家具のレンタル、高速Wi-Fiや有料テレビ番組のアクセス権、RFID対応のオートロックシステム、Bluetooth対応の照明や音響システム、遠隔操作が可能なスマート空調システムなどの導入。また、入居者が快適に暮らすためのアメニティサービスとして、タオルやシーツの取り替え、部屋の清掃を行うハウスキーピングサービス、さらに建物内にジム、コインランドリー、ラウンジ、屋上テラスなどの設置、住民同士の交流ができるイベントを開催することなどが、同社の役割である。

これらの付加機能やサービスを、家賃の中に組み込んだ包括料金として提供することが、同社のビジネスモデルになっている。ニューヨーク市のマイクロ・アパートメント「My Micro NY(Carmel Place)」の月額家賃は2,755ドルだが、その中には、以下の利用料が含まれており、入居者が各サービスを個別に契約することと比較すると、月あたり575ドルの節約になる計算だ。

《My Micro NY(Carmel Place)の包括家賃体系》

Ollieでは、ニューヨークの他に、ピッツバーグ、ロサンゼルス、ジャージーシティ、ボストンでも、建設業者とパートナーシップを組む形でマイクロアパートメントの開発を進めている。建物のコンセプトは、タワーマンションと同規模のスペースに、2倍の入居者が快適に生活できる区画を設けて、高年収単身者向けのハイエンド住宅を供給することである。

賃貸住宅向けのハイクラスなアメニティサービスは、日本では未開拓の市場だが、単身者の家事代行に対するニーズは高まっていることから、Ollieと同様のビジネスが成り立つ可能性はある。また、都会に住む若者の中では、隣人との交流ができる賃貸住宅への人気が高まっており、これは「Co-Living(コリビング)」と呼ばれる新たなライフスタイルとリンクしている。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2018.6.23
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ

この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
レンタル家具プロバイダーが仕掛ける中小家具店舗の再編
所有からペイ・パー・ユースに変わる家電製品の利用形態
新ライフスタイルに適応したホテルの新業態とコミュニティ形成
遊休不動産の価値を高めるインテリアコーディネート仲介
賃貸物件の管理コストを軽減させるIoTシステムへの潜在需要
※アクセスにはJNEWS会員ID、PASSWORDが必要です。

(海外ビジネス事例)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2018年6月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon