オンラインレッスン環境の進化により「プロ家庭教師」が職業として成り立ちはじめている。指導の専門性と実績の蓄積により、米国では年収10万ドルを超すプロ家庭教師も登場している。
プロ家庭教師を育成するプラットフォーム

JNEWS会員配信日 2017/9/4

 2005年に米シカゴで創業した「Wyzant(ウィザント)」は、オンライン家庭教師のプラットフォームで、アルバイトの大学生、副業の社会人、フルタイムのプロ家庭教師までが、米国内で76,000人以上登録している。いずれも、個人事業主としての立場で、Wyzantとの雇用関係は無い。

指導の形態には、対面による個人指導とオンライン指導があり、教師の希望者は、自分の学歴や教育歴、指導科目、指導可能の曜日や時間帯などを記載したプロフィールを登録して、承認されるとプラットフォーム上で生徒を募集することができる。登録にかかる費用は無料で、オンライン指導に必要なビデオ通話やホワイトボード機能などは、プラットフォーム上にあるツールを利用することができる。

各教師の授業料は、未経験者はWyzant側が設定したデフォルトの金額(時給20ドル程度)からスタートして、実績を重ねることで徐々に値上げの申請ができるようにアルゴリズムが組まれている。優秀な教師になれば 1時間あたり250ドル以上の授業料が設定されており、年収10万ドルを超すプロのオンライン教師も生まれている。


Wyzantが各教師の評価基準としているのは、実際に授業を受けた生徒からのレビューと、指導時間数のカウントである。授業料が高くても、総指導時間が 1,000時間を超しているような教師は、実力が高いことを意味している。たとえば、ハーバード大学出身の教師は、SAT(大学進学適性試験)の対策指導を得意として、2,000時間以上の指導実績があり、レビュー評価は5つ星(満点)。授業料は500ドル/時間に設定されているが、個別指導だけでなく、少人数(2~5人)のグループ指導にも対応している。

Wyzant自体の収益構造は、決済した授業料から手数料を徴収するシステム(生徒と教師の両方)で、教師側の料率は指導時間数が増えるほど低くなるように設定されている。実績ゼロ(指導時間ゼロ)の教師は40%の手数料率からスタートして、400時間を超えたところで20%に落ち着く。この仕組みにより、実力の高い教師ほど稼げて、プラットフォームの中で生き残る生態系が築かれている。

Wyzantの教師側手数料体系

Wyzantの手数料構造

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2017.9.4
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ

この記事に関連したバックナンバー
教育現場をデジタル化するEdTechサービスと電子デバイス市場
世界に広がるSTEM教育による理系人材育成とスクール事業
アマチュアからプロ化するオンライン語学講師としての働き方
少子化時代に成長する個別指導学習塾の高採算ビジネスモデル
電子教材からオンライン教師へとシフトするeラーニング
スキルシェアリングによる労働市場のセカンダリーマーケット
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

(海外ビジネス事例) / (トップページ) / (JNEWSについて)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2017年9月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
 
Page top icon