オフィスビルやマンションに設置されたエレベーターのメンテナンス費用は高く、物件オーナーの大きな負担になっている。エレベーター部品の劣化状況をIoTクラウドでモニタリングしてメンテナンスコストを下げようとするビジネスが登場している。
IoTクラウドによるエレベーター業界の再構築

JNEWS会員配信日 2016/12/20

 欧州のエレベーター業界で最大シェアを持つ、ドイツのThyssenKrupp社(ティッセンクルップ)が開発した「MAX」というシステムでは、保守をするエレベーターに各種のIoTセンサーを取り付けて、ドアの開閉回数、乗員数、動作速度などのデータを常時モニタリング、クラウドサーバーに転送する。収集されたデータは、機械学習の人工知能アルゴリズムで分析されて、各部品の寿命時間を算定できるようにしている。

同社では、エレベーターの保守技術者として2万人を抱えているが、IoTのデータ分析によって、部品の消耗度を予測できれば、突然の故障による緊急出動の回数を減らすことができる。また、寿命が残っている部品は頻繁に交換しなくても良いため、メンテナンス費用を抑えることにも役立つ。

エレベーターの耐用年数は部品毎に異なり、ゴンドラを吊り上げるロープは 5年~10年、ロープの巻上機は10~15年、制御盤は20年などの平均値がある。しかし、実際の消耗度は、利用状況によって大きく異なるため、すべてのエレベーターの稼働状況をモニタリングしたいというニーズがある。

遠隔モニタリングの仕組み自体は、日本のエレベーター会社も開発しているが、自社製エレベーターのみを監視の対象としているため、開発コストは割高で、分析できるデータ量も少ない。しかし、世界には1,200万基ものエレベーターがあり、毎日10億人もの人々を輸送している。

それらのデータを集約して分析することができれば、エレベーターの機種や使用状況によって、どんな部品が劣化しやすいのか、故障やトラブルの予測精度を高めて、従来のメンテナンスコストを大幅に下げることも可能になる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます 記事一覧 / JNEWSについて

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JNEWS LETTER 2016.12.20
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