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市街地の混雑を解消する
駐車代行ビジネスとスマートパーキング
JNEWS会員配信日 2015/9/12
事例:ZIRX

 駐車場は立地条件のよい場所ほど、料金が高くて混雑している。中心街から少し離れると、料金は安くて空車も多くなるが、駐車場から目的地までは歩かなくてはいけないのが面倒だ。その特性を逆手に取ったビジネスとして、米国で2014年頃から登場してきたのが「オンデマンド・バレットパーキング」と呼ばれる駐車代行サービスである。

もともと「バレットパーキング(Valet Parking)」とは、ホテルのエントランスでボーイに車の鍵を渡すと、駐車場まで回送してもらえるサービスのことだが、そこからヒントを得て、駐車代行サービスを事業化させているのが「ZIRX(ザークス)」という新興企業だ。

オフィス街やイベント会場など、混雑した場所へマイカーで出かけたい時に、トライバーがZIRXのスマホアプリで目的地を指定しておくと、その場所で回送スタッフが待機しており、車を預かって安全な駐車場で保管してもらえる。

たとえば、マイカーで野球の試合を見に行きたい時には、球場前で回送スタッフと待ち合わせれば、ドライバーと同乗者は鍵を預けた後、すぐに球場に入って観戦を楽しむことができる。帰りは、試合が終わる10〜20分前にアプリで通知をすると、スタッフが駐車場から車を戻して球場前で待機しているため、鍵を受け取り家路につくことができる。

■ZIRXサービスの紹介映像
  https://youtu.be/Vi4J9UVDOeg

ZIRXの料金体系は、車の回送代+駐車料金によって算定される。回送代が往復で12ドル、駐車料金の単価はエリアによって異なるが、1時間あたり3ドルで2時間預かってもらえば、合計で18ドルになる。ただし、夜間の利用は何時間停めても定額15ドルのナイトパックが用意されている。

ZIRXでは、サービス対象のエリアから少し離れた場所(車で10分程度の圏内)で安価な駐車場を確保しているため、エリアの平均相場よりも駐車料金の単価を安く設定することが可能だ。

回送を担当するスタッフは“エージェント”と呼ばれ、正規雇用ではなくオンデマンド人材が採用されている。エージェントが車を傷つけてしまうことに備えては、損害保険にも加入している。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)

■ZIRX
  http://zirx.com/



JNEWS会員レポートの主な項目
 ●パーキングアプリで変わる駐車場業界
 ●P2Pパーキングによる遊休地の収益化モデル
 ●日本での駐車場レンタルによる副業と規制問題
 ●便利+安さをウリにした駐車代行サービスの仕組み
 ●パーキングメーターの開発とスマートパーキング
 ●近未来の労働力不足を解消するオンデマンドワーカーの台頭
 ●眠れるデータを発掘して収益化するビジネスモデルと着眼点
 ●リアルタイムで価格を変動させるダイナミックプライス戦略
 ●個人ドライバーが副業として参加するライドシェアリング市場
 ●安全コストを意識したカーシェアリング事業の採算と転換期

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2015.9.12
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