JNEWS会員配信日 2015/4/25
事例:bitcoin
インターネットの普及により、資金の決済や送金は電子的に行えるようになったが、そこには高い手数料が含まれている。たとえば、日本でも定着しはじめたクラウドファンディングサイトで、個人の支援者が起業者に小口出資をする時には、平均で20%もの高い手数料が差し引かれている。
手数料の内訳は、クレジットカードの決済手数料がおよそ5割(決済額の約10%)で、残りの5割がクラウドファンディングのサイト運営にかかるシステム経費や人件費になっている。
日本のクレジットカード会社は、有形商品の決済に対しては3〜5%、無形サービスの決済については10%前後の高い手数料を、加盟店側から徴収している。カード決済は、商品の代金をカード会社が立て替える信用取引になるため、手数料率が高く設定されている。
それに対して、ビットコインは通貨の残高データをやり取りする、現物決済に近いため、仕組みの上では、決済手数料をゼロにすることが可能だ。しかも、商品の価格をヒットコインの単位(BTC)に設定しておけば、世界のどこからでも同じ単価で決済をすることができ、為替レートに翻弄されることもない。
そのため、海外のNPO団体では、ビットコインによる寄付の募集を積極的に行うようになってきている。特に、IT分野のオープンソース団体とビットコインの相性は良く、ビットコイン関連のシステムを非営利で開発する各団体の他、3Dプリンタービルダーや、ウェブブラウザ開発の「Mozilla」、インターネット百科事典の「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団などが、ビットコインによる寄付を受け付けている。
■ビットコインによる寄付を受け入れている非営利団体例 http://goo.gl/irtv6B
ビットコインによる送受金は、クレジットカードや銀行振り込みよりも簡単で、送金者は自分のビットコインを保管しているウォレット(電子財布)から、資金の受取人が公開しているビットコインアドレスと送金額を入力するだけで済む。
ビットコインアドレスは「16iMGjsncpwf33NDET54NfbiAb6r」ような文字列になっており、QRコードとしても表示できるため、募金キャンペーンの広告に掲載したり、YouTubeに投稿する映像の中でも募金を呼びかけやすい。
また、ビットコインアドレスは、銀行口座のように固定されたものではなく、随時変更したり、取引相手によって使い分けていくことができる。送金者側も、個人情報を特定されずに送金することができるため、ソーシャルメディアで知り合ったユーザー間の個人売買でも使いやすい。
つまり、ビットコインが世界に普及すると、クレジットカードや銀行振り込みよりも、資金の送受金がしやすくなり、国境を越えたビジネスや、個人間のスモールビジネスも活発になることが予測できる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●ビットコインによる送金コストの変革
●国際送金手数料ゼロの衝撃
●ビットコインの課税問題とフリーランス市場
●ビットコインによるマイクロ報酬システム
●ビットコインに関わるベンチャービジネスの視点
●EC・リアル店舗にビットコイン決済を導入する方法
●変化する通貨の役割と商品価値の交換取引
●シェアリング経済で豊かに暮らすネオシェアラーへの成長過程
●一夜にして「お金の価値」が崩落する通貨の特性と金融政策
●希薄化する通貨マネーからゴールドへ回帰する資産の潮流
●通貨価値が目減りするインフレ時代に伸びる物々交換取引
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.4.25
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