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  商用利用に向けた無人ラジコンヘリを開発する新興企業が海外で増えている。現在のラジコンヘリは遠隔操縦の性能には優れているものの、バッテリーで飛行できる時間が10〜15分程度と短いことが最大の欠点で、それを解消して長時間の飛行ができる性能が求められている。
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商用ドローン実用化に向けた
ラジコンヘリ開発ベンチャー動向
JNEWS会員配信日 2014/7/8
事例:DIY Drones

 米国でも、ラジコンヘリの商用利用が注目されはじめたのは、2013年頃からのことで、正式な航行ルールなども定まっていない。そのため、ラジコンヘリの市場も、現在はホビー用途が主流だが、NASA(米航空宇宙局)や大手航空会社、物流企業などでも、高性能ラジコンヘリの活用方法を研究している。

3D Robotics社は、もともとラジコンマニアであった、WIRED誌の元編集長、クリス・アンダーソン氏が 2009年に創業した企業で、自動操縦が可能なラジコンヘリの開発をしている。中国のDJI社を追いかける形だが、3D Robotics社の強みは、「DIY Drones」というコミュニティサイトを運営して、ラジコン愛好者の知識やアイデアを、製品の改良や新機能の開発に活かしていることだ。

 

自動操縦の根幹にあたるファームウエアについては、オープンソースとして無料配布することで、ユーザーが機能のカスタマイズや自由な設定をしやすくしている。

ラジコンヘリの価格は、最も安いモデル(IRIS)のベースとなるスタートキットが 750ドル〜で、それにユーザーが必要とするオプションパーツを追加購入していく方式になっている。機体の主要機能はパーツ単位でも販売されているため、故障した際の修理もしやすい。価格面では、中国製ラジコンヘリと勝負するために、製品の生産をメキシコの工場で行っている。


もう一つの事例として、ワシントンDCにあるドローン・ユーザーグループの代表が創業したAirDroids社では、約500ドルの低価格で、5000フィート(約1.5km)の高度まで飛ぶことが可能な、超小型のマイクロヘリコプター「Pocket Drone(ポケットドローン)」を発売している。その開発資金を、クラウドファンディングサイトのキックスターターで今年3月に募集したところ、1,946人の個人出資者から、93万ドル(目標額の3倍)を獲得することに成功している。

ポケットドローンは、カーボン繊維と耐衝撃性プラスチックスを利用することで、ボディの強度を高めながら軽量化も実現している。飛行できる時間は平均で10〜15分だが、予備バッテリー(34.9ドル)を追加することで、飛行時間を延ばすこともできる。


この記事の主な項目
 ●中国メーカーが牽引する高性能ラジコン市場
 ●米国の小型ドローン開発ベンチャー動向
 ●ドローンをビジネスに活用するアイデアと視点
 ●規制に縛られる商用ドローンビジネスの課題
 ●人工衛星よりも安価に参入できる産業用ドローン
 ●自律飛行システムのプラットフォームビジネス
 ●グーグルが狙うドローン活用ビジネス
 ●通販客を呼び戻すリアル店舗向け買い物代行サービス
 ●飛行機セールスの利権が火付け役となった航空会社の業界再編
 ●ライセンスビジネスとして捉える「衛星写真」のコンテンツ価値

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