JNEWS会員配信日 2014/9/6
事例:Memsource
映像コンテンツに字幕が付くことで、翻訳業界の仕事量は増えてくることが予測できるが、クライアントから求められるのは「早い、安い、高品質」であることだ。そのニーズを満たすには、翻訳を担当する人材を能力別に大量確保することが不可欠になってくる。
欧米の翻訳会社は、クラウドで翻訳人材をネットワーク化しており、クライアントから仕事が発注されると、納期に間に合うように作業を割り振っている。翻訳者への報酬は、翻訳のレベルと専門分野よってランクが分かれて、映像1分あたりの単価が決められている。3年以上の経験がある翻訳者でも、時給換算15〜25ドルあたりが相場。専門職としては決して高い水準ではないが、パートタイムの在宅ワークとして、フレキシブルな働き方ができるところが、この仕事の魅力になっている。
ただし、クラウド翻訳者は、米国、カナダ、英国などに限らず、新興国からも採用できることから、今後は“買い手市場”として、専門性に乏しい翻訳者の報酬相場はさらに下がっていくとみられている。
こうした翻訳ネットワークの基盤となるのが、翻訳業界向けプラットフォームの存在で、「Memsource」はその一つ。翻訳会社が同プラットフォームを採用すると、ウェブベースで翻訳プロジェクトの管理をすべて行うことができ、オンライン翻訳者は、サイト内にある機械翻訳機能や、専門用語のデータベースを使いながら作業を進めていくことができる。
翻訳作業は一人で行うことも、複数人がチームとなって行うことも可能で、プロジェクトマネージャーが各翻訳者に作業内容を割り当てて、その進捗状況を1分毎にチェックしていくこともできる。
Memsourceの利用体系(翻訳会社向け)は、「プロジェクトマネージャー1名+翻訳者10名」を1つの単位として、月額140ドル、180ドル、250ドルのコースがある。これからの翻訳作業は、各種の支援機能を駆使しながら、効率的でスピーディに行うことが求められ、ほとんどの翻訳者がこうしたプラットフォームを利用することになるとみられている。
■Memsource http://www.memsource.com/ja/
■Memsourceによる翻訳作業の紹介映像 http://youtu.be/eBxeXXy0Lao
■この記事の主な項目
●映画の字幕コミュニティにみる著作権問題
●情報バリアフリーの観点で広がる字幕市場
●字幕の制作現場で求められる速記ライター
●翻訳業者にとっての字幕ビジネス参入の方法
●クラウドによる翻訳プラットフォームの構築
●翻訳ボランティアに対するインセンティブとは
●番組放映権獲得ビジネスの舞台裏とオープン字幕翻訳
●YouTubeへのビデオ投稿による収益形成の仕組み
●グーグルのクラウド部隊から学ぶテレワーク人材の育成
●世界標準のプラットフォームビジネスとローカライズ市場
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2014.9.6
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
|