JNEWS会員配信日 2014/4/6
事例:Americas Army
従来の人材採用では、適性テストや面接の内容から、応募者の性格や能力を見抜こうとしてきたが、それでも短い時間の中では、その人の本質までを掴みにくい。そこで、応募者にオンラインゲームをプレイさせて、そのスコアやミスの状況から、仕事への興味や適性を判断する方法が開発されている。
こうした取り組みに最も積極的なのが、米国の陸軍で、「Americas Army」というオンラインゲームを、20億円以上の資金を投じて開発、2002年から無料で公開しており、現在はバージョン4にまで進化している。ゲームの内容は、新人兵士が各種の訓練をして能力を高めてゆき、武装したテロリストと戦っていくもので、オンライン上で、他のユーザーとのマルチプレイもできるようになっている。
このゲームの目的は、大きく二つある。一つはゲームユーザーを大量に集めて、それを米軍入隊のリクルート活動へ結びつけようとすることだ。その成果は顕著に出ており、米軍の発表によると、ゲームの登録ユーザー数は1300万人で、年間の総プレイ時間数は 260万時間。ゲームを通して、米軍のリクルートサイトへアクセスしたユーザーは、全体の28%にもなるという。
もう一つの目的は、ゲームの内容自体が、実際の訓練に基づいたものであり、プレイを通して兵士としての適性を判断することだ。入隊を考えている者は、このゲームによって、訓練の内容や難易度を把握することができる。
ゲームを活用した米軍のリクルート活動には批判的な意見もあるが、この手法は「ゲーミフィケーション(Gamification)によるリクルート・ソリューション」として、民間のビジネスでも注目されている。
●オンラインテストによる人材フィルタリングの方法
●大量の求職応募者を捌くクラウドシステムの動向
●オンライン面接プラットフォームの開発商機
●オンラインゲームを活用したリクルート活動
●ビデオゲームからのデータ分析による人材採用モデル
●ゲームによるマリオットホテルの人材獲得戦略
●リクルート用ビッグデータの提供ビジネス
●非正社員向けボーナス制度の導入とリバース・メンタリング
JNEWS LETTER 2014.4.6
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