JNEWS会員配信日 2013/10/29
事例:Connections Academy
米国では、集団教育に馴染めない子どもに対して、全日制の小中高校に通わずに、ホームスクールで学ぶ権利が認められているが、「Connections
Academy(コネクション・アカデミー)」は、そうした子ども達が、オンラインで学習するためのバーチャルスクールで、自宅のパソコンからアクセスして、各種の授業を受けることができる。
このスクールは、アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州など、26の州で正式な認可を受けて、授業料無料の「公立学校」として運営されている。経営母体は投資会社であり、州からの委託契約による「公立オンライン学校」の経営に商機があるとみて、この事業が展開されているのだ。
この学校では、主要科目の授業の他に、音楽レッスンなどのクラブ活動、職業訓練までがオンラインで行われているが、その指導を担当している教師達も、オンラインで勤務をしている。
雇用の体系には、フルタイム(常勤)とパートタイム(非常勤)があり、フルタイムの教師は、各州にあるオフィスに勤める形になるが、実力やキャリアによって、在宅勤務のオプションが与えられる。非常勤の教師は、オフィスで行われる研修に参加して認定を受けた後、在宅でオンライン授業を行い、定期的なレポートを提出することが義務付けられている。
同校は、各州からの認可を受けた「公立学校」のため、常勤・非常勤いずれのオンライン教師として働くにも、公式な教員免許は保有している必要がある。柔軟なワークスタイルのため、給与体系は、仕事のパフォーマンスによって年収が決まる実力主義になっているが、保険などの福利厚生は充実している。
コネクション・アカデミーのような形態は、「オンライン・パブリックスクール」と呼ばれ、多くの州がホームスクーラーのために設置してきている。それに伴い、オンライン教師の雇用も着実に増えており、従来の教員免許に加えて、オンラインで授業を行うためのスキルを証明する、学位やライセンスの整備も進められている。
●オンライン語学講師の条件とワークスタイル
●副業として行うオンライン家庭教師の仕組み
●公教育でも採用されるオンライン教師への需要
●米オンライン・パブリックスクールの仕組み
●オンライン教師の個人開業モデルについて
●クラウドで提供するオンライン授業システムの開発市場
●子どもの理数系才能を開花させるSTEM教育ビジネスの開拓
●オンライン化する家庭教師のマッチングと新たな自習スタイル
●高騰する大学授業料と対峙するオープンエデュケーションの波
●電子教材が促進するホームスクール市場と学位ビジネス
JNEWS LETTER 2013.10.29
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