JNEWS会員配信日 2013/4/20
事例:Netflix 他
テレビ業界の、もう一つのベンチャー勢力と浮上しているのが「ストリーミング・テレビ」と呼ばれるもので、「Netflix(ネットフリックス)」と「Hulu(
フールー)」が急成長している。
「Netflix」は、もともとDVDのレンタルサービスで成功したベンチャー企業だが、現在は世界40ヶ国で3300万人の会員を持つ、オンライン番組配信ネットワークへと発展している。
Netflixの利用方法は、パソコンをテレビの HDMI端子につないでログインし、1万タイトル以上ある映画やドラマの中から、見たい番組を選べば、自由に視聴することができる。料金は月に7.99ドルの固定額で、月に何本でも番組を見ることができる。米国では、Netflixに加入して毎日1時間以上は好きな番組を見る、という視聴スタイルが定着してきており、従来のTV局に迫る影響力を持ち始めてきた。
最近では「Netflixでしか見ることができないドラマ」を独占配信することでも加入者を増やしている。今春からスタートした、ケビン・スペイシー主演の「House
of Cards」は、英国政界の陰謀をテーマにした政治小説を映像化した全13話のドラマで、フェイスブックやツイッター上でも話題になっている。
一方の「Hulu(フールー)」は、NBC、FOX、ABCなどの大手テレビ局を株主として運営されるストリーミングTVで、米国地上波ネットワーク局の番組をオンデマンドで見られることを強みにしている。サービスは、Netflixと同じ月額
7.99ドルで無制限の視聴ができる有料コースの他、一部の番組を広告付きで無料視聴することもできる。
Huluは日本語版のサービスも提供しており、月額980円で米国、英国、韓国など1万タイトル以上のドラマや映画が、日本語の字幕付きでオンデマンド配信されている。
ストリーミングTVは、技術的には、世界どの国からでもアクセスして視聴することが可能だが、番組著作権の都合により、その国からしか視聴できないようにガードされている。YouTubeのような動画サイトが、著作権の管理が曖昧なまま成長しているのに対して、ストリーミングTVは、番組の放映権を取得した後に、有料サービスとして提供されているのが特徴だ。
ストリーミングTVの形態が登場してきたことにより、電波や通信回線のインフラを持たない企業でも、テレビ事業に参入することが可能になってきた。視聴者の興味・関心も細分化しているため、ニッチな番組分野に絞り込んだり、グローバルな放映権さえ獲得できれば、国境を越えたテレビ配信も実現できる。
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JNEWS LETTER 2013.4.20
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