written in 2012/4/2
事例:SoleSociety
サブスクリプション(Subscription)型のeコマースは、雑誌の定期購読制のように、消費者がそのショップに定期購買の申込みをして、月々の会費を払い続けることで、ショップ側が選定したオススメ商品の詰め合わせが毎月届く仕組みである。
たとえば、月額50ドルの会費制なら、100〜150ドルの価値がある詰め合わせが届くため、その分野の新商品に興味のある消費者ならば、「来月はどんな商品が届くのだろう」という楽しみと、割安な買い物ができる実利の両方が期待できる。
《サブスクリプション型通販モデルの例》
欧米では、このビジネスモデルを採用する専門ショップが急増してきており、新たな買い物スタイルとして流行しつつある。女性向けのファッションサイトでも、衣類、化粧品、靴、アクセサリーなどを詰め合わせたサブスクリプション・サービスが多数登場して、物販業の新たな収益モデルを形成している。
そこで注目すべきは、各ショップが同じサービス体系を模倣しているのではなく、独自のアイデアや商材の特徴に合わせたビジネスモデルを開発していることだ。
「SoleSociety」は、靴の販売を専門としたサブスクリプション・ショップで、月額
49.95ドルの会費を払うと、毎月1足の靴が送られてくる。登録時には、自分の足のサイズと、好みのファッションスタイル(クラシック、エレガント、ボヘミアン、モダンなど6種類)を選択しておくと、ショップ側が、そのスタイルに合う靴を選定して毎月発送する。
1足あたり 49.95ドルという値段は、単品で買うよりも安くて、すぐに靴が傷んでしまうキャリアウーマンなどには、便利なサービスといえるが、毎月送られてくる中には、自分のセンスに合わない靴があるかもしれない。その場合には、送料無料で靴を返品することが認められており、当月の会費(49.95ドル)も返金される。また、デザインは気に入っているけれど、サイズが合わない、色違いの靴に交換してもらいたいといった要望にも、可能な限り応じてもらえる。
20〜30代の女性が1年間に購入する靴は、平均で3〜4足と言われているが、定期購買制(サブスクリプション)の販売モデルにすれば、年間で12足の靴を売れるようになり、1足あたりの単価は下げることができる。サブスクリプションの目的は、長期的な会員顧客として靴を買い続けてもらうことにあるため、返品や交換の依頼に対しては誠実に対応して、会員の満足度を高めたほうが賢い。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
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●サブスクリプション型通販モデルの解説
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JNEWS LETTER 2012.4.2
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