written in 2011/12/11
事例:Grubwithus
たまにはお洒落なレストランに行きたいと思っているし、それくらいの金銭的な余裕はある。しかし、一緒に食事に行ける相手がいないから実現できないというシングル層は多い。
グルーポンでレストランの割引チケットを購入した人の中でも、有効期限内に使うことなく、権利を消失させている人は、チケット購入者の3割前後もいることが判明しているが、その理由として最も多いのは、「一緒に行ける相手が見つからなかった」というケースのようだ。
これは、レストランの集客において、とても重要な警鐘であり、職場の昼食でさえも、共にできる仲間が見つけられないような“個食化”が進んでいる時代には、レストラン側で、「食事の相手」を探すための支援をすることまで必要になる。視点を変えて言えば、食事の相手さえ見つけることができれば、高級レストランへの需要も掘り起こすことができるし、客単価も上げられる。
その具体的な方法として注目されるのが、日本でも広がり始めている「ソーシャルランチ」のシステムだ。ランチを社外の人とすることで、新たな人脈の形成につなげようとするもので、よくランチを共にする2名がペアとなり、別のペアとお見合いをするような形で“4人のランチ会”を指定されたレストランで行う。相手のペアは、仕事内容、勤務先、プロフィールなどを見ながら決めることができる。
《ソーシャルランチの仕組み》
海外ではランチに限らず、初対面の相手と食事をするための仕組みが「ソーシャル・ミール」または「ソーシャル・ダイニング」と呼ばれて、飲食店の新たな集客ルートとして注目されている。この背景にあるのは、フェイスブックやツイッターなどにより、見ず知らずの相手でも、その人のプロフィールや友人関係を確かめやすくなったことがある。
そこで幾つかのソーシャルミール系サイトが登場してきている。「Grubwithus」はその一つで、レストランのクーポン販売と、食事相手のマッチングを兼ねたサービス形態になっている。同サイト上では、日時を指定したレストランのクーポンを座席数限定で販売しているが、同じクーポン購入者のプロフィール(趣味や職業)を確認できるのが最大の特徴。そのリストを見て「仲間になりたい」と思えば、自分もクーポンを購入して指定の日時にレストランへ行けば“食事会”に参加することができる。
つまり、同じ日時に店にいる人達のプロフィールを確認してから食事に出かけるため、初対面同士でも、同じ趣味の話などで盛り上がることができるわけだ。同サイト上では、旅行、起業、料理、音楽、ITなどのテーマ毎に様々な食事会が企画されている。
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LETTER 2011.12.11
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