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  ネットのeコマースサイトやポータルサイトに掲載されるページ制作の現場では、新興国へ仕事を発注する流れが進んでいる。すると、自国で制作するのと比べて、制作コスト(人件費)を十分の一程度にまで抑えることができる。しかもその受発注は、オンラインで即座に行うことができる。
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電子マネーによる報酬システムで変わる
コンテンツ制作の舞台裏
written in 2010/8/1
事例:ehow.com 他

 ペイパルのように、資金の支払いと受け取りの両方ができる電子マネーが普及すれば、企業が給料を電子マネーで払うことも現実になる。その利点は色々と考えられるが、一つは、国境を越えて多国籍の人材を雇いたいような場合である。

各国が発行する通貨は、その国内での流通が前提となっているため、他国に送金しようとすれば、外国為替の手続きが面倒で、送金手数料も非常に高い。しかし世界で普及している電子マネーであれば、国境に関係なく同じ送金手続きで給料を払うことが可能。ペイパルの場合は、ドル・・ユーロ・ポンド・円など20種類以上の通貨建で、他国の相手に電子送金することができて、送金手数料もかからない。

もう一つは、少額の給料(報酬)を大量の人材に対して払うような場合で、たとえば、月に数百円の報酬を、数万人に払うことは、これまで非現実的だったが、電子マネーであれば、それも実現することができる。それらの点が示唆するのは、電子マネーが普及することで、人材の活用(労働)や給料(報酬)の体系にも、やがて変化が起こるということで、「クラウドワーク」という、新たな働き方ともリンクしている。

《クラウドワークの発想》

  

ECサイトの販売支援をするアフィリエイトも、クラウドワークの一つといえるが、それ以外でも、クラウド(群衆)の力を有効活用したビジネスは登場してきており、特にコンテンツ制作の分野で革命的な変化が起こっている。

 知識や教養系のコンテンツサイトでみられるのが「Paid To Post(PTP)」という仕組みで、記事や動画を投稿したユーザーに対して報酬が支払われるものである。その例として、ハウツー(How-to)サイトの「ehow.com」では、趣味、料理、健康、ビジネスなど幅広いカテゴリーで、役に立つノウハウやマニュアルを記事や動画で掲載しているが、これらのコンテンツは個人ユーザーからの投稿によって集められている。



その点では、従来のコミュニティサイトと同じだが、投稿者に対して報酬を支払うことで、良質なコンテンツのみを掲載しているのが特徴。報酬の原資となるのは、コンテンツ内に挿入される、「Google AdWords」などの検索広告から生じる収入で、それをサイト側と投稿者とで分配しているのだ。

検索広告の場合、掲載するコンテンツのテーマやキーワードによって、広告料金(閲覧者のクリック単価)に 5円〜200円以上の差がある。「広告単価の高いコンテンツ=広告主が付きやすいコンテンツ」ということで、たとえば、日曜大工のハウツーに関する記事には、住宅設備メーカーが広告主として出稿しやすいため、その記事に対する収益性は高くなる。

これまでの発想では、情報サイトが質の高いコンテンツを掲載したい場合、プロのライターに、高い原稿料を払って記事を書いてもらっていたが、それではコンテンツの制作コストが高くなりすぎて、広告収入だけでは採算が合わない。そこで発想を変えて、一般ユーザー(素人ライター)の中からの投稿を募集して、良質なものだけを掲載して謝礼を払う方針(Paid To Post)へと転換してきているのだ。一般ユーザーに対する報酬コストは、プロを使うよりも大幅に安く済む。

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この記事の核となる項目
 ●電子マネーの資金移動ができるペイパルの仕組み
 ●少額報酬を積み重ねるオンライン副業
 ●本職から副業へシフトするコンテンツ制作の舞台裏
 ●副業ライターを活用した原稿制作の流れと報酬制度
 ●副業ネットワークを築くコンテンツ卸売会社
 ●広告収入を分配するビデオコミュニティ・モデル
 ●世界を一つにするクラウドワークと電子マネー経済
 ●クラウドビジネスが変えるネット副業への関わり方と成功法則
 ●消費者のDIY生活を支援する新たなエキスパート職の台頭
 ●趣味と実益を兼ねた「本業+副業」のマルチワークスタイル
 ●消費者が求めるサービスのマネタイズ化と電子マネー社会
 ●裏マネーとしてのポイント資産と電子マネーロンダリング
 ●エコポイントの仕組みから学ぶ環境貢献型商品の作り方
 ●交換することで目減りする「お金」の価値と両替ビジネス


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