written in 2009/2/24
事例:Roommates.com
男性の派遣社員が契約を切られ、寮を追い出されてホームレスになったというニュースはあっても、この手の話で女性が登場することは少ない。派遣、契約社員、アルバイトなど非正社員の男女比でいえば、7割が女性であるにも拘わらず、最低限の生活環境を保持しているのは女性のほうである。住まいについても“自分の身を守る”という潜在的な本能が働いてか、安全で快適な場所を見つけることは男性よりも長けている。
国勢調査によると、20歳以上の女性は総数で約5300万人いるのに対して、結婚をしているのは3200万人(60%)で、残りの2100万人(40%)は独身者(未婚・死別・離婚者を含む)という割合だが、これらの独身女性がこれからどんなライフスタイルに関心を抱いていくのかが、住宅市場にとっては非常に重要。日本では独身者が親と同居している割合が欧米よりも高いのが特徴だが、それでも約 600万人の独身女性(20歳以上)が一人暮らしをしている。彼女達こそが新たなライフスタイルを生み出すイノベーター(先駆者)になる可能性が高い。
《夫婦世帯・単身男性・単身女性の違いによる生活費の内訳》
もちろん世の中には男性以上に仕事で活躍して、稼いでいる女性もいるが、この人達がどんな生活をしているのかが、今後の消費市場を占う上でも非常に重要な指針といえる。
生活費というのは、家族の人数が少なければ、それに比例して安くなるというわけではない。同じ年齢、同じ年収の人達で比較すると、4人家族で月30万円かかっている生活費が、独身の一人暮らしだからといって月 7.5万円では済まないだろう。もちろん究極の節約をすればそれも可能なのかもしれないが、家族がいない分だけ少しは余裕のある暮らしをしようという気持ちになるのが普通。特に住居については、単身だから安アパートで構わないという女性は少なく、男性と同水準の年収(600万円以上)を稼いでいる人であれば、一人暮らしでもマンションか一戸建てを購入しようとする人が増えている。
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JNEWS LETTER 2009.2.24
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